生まれて初めてのナマ山弦ですっかり満腹になったので、翌日は天王寺へ。
天王寺駅を背にして歩くと、すぐそこに天王寺公園がある。
もうずっと前に天王寺博覧会とかいうのがあって、その時にこの辺一帯が整備されたはずで。
まだおチビさんだった頃、小学校のバス遠足だったと思うが、整備される前の天王寺動物園には行った記憶があるものの、新装成ってからやって来たのは初めてだ。
そういえば、最近は、天王寺を素通りしてばかりだから。
今をときめく『さよなライオン』の前で集合して遠足に出かけるのも良し、
『ごちそうシマウマ』(そんなのはACのCMには出てないか、、、、、)の前で、背後に見えるハリボテの大阪城を眺めるのも良し。
公園を散策してほどなくすると、大阪市立美術館に着く。
ワタクシのように歌川国芳という名は知らなくても、中に入ると見覚えのある浮世絵がたくさんあった。
とにかくこの歌川国芳展は、驚くほどの大盛況で、展示されている作品数も多いのだろう、のんびり鑑賞しながら歩いている前の人達に続いて歩いていくのがもどかしくなったので、
列から離れて、他の人達の頭越しに解説文と展示作品を眺めて過ごした。
決してワタクシがせっかちなわけではなく、この日の鑑賞客達の歩行ペースがのんびりし過ぎていたのだ。
¥2,500と結構なお値段だし、手にするとずっしりと重たいのでどうしようかと悩んだ末に、ミュージアムショップで図録をテイクアウト。
こうやって図録を買っても、家に帰ってから入念に図録を開く可能性はさほど高くないとは予想しつつ。
この次、天王寺に来たら、動物園に行ってみよう。
昨日、5月18日。
ようやく、山弦とワタクシの都合が一致したのでライヴ観戦を果たした。
山弦の片割れの佐橋佳幸とは、達郎やまりやのライヴで顔なじみだが、山弦というユニット今回が初対面なので、ワクワクする。
ところで、
ライヴ前の夕食はお好み焼きに限るというのは、よく知られた定説である。
すぐ近くのOCATに風月が営業しているのは、とっくに調査済み。
風月を目指して、5時半頃にOCATのレストラン街に向かう。
どこを見渡してもエレベーターが見当たらないので、めんどくさいけどエスカレーターで5階まで。
ようやく5階にたどり着くと、大変な事態が勃発している事に気がついて驚愕した。
この日は、OCATの月に一度の休業日らしい、、、、
ワタクシと同じように、5階まで上がって来たもののレストラン街のシャッターが閉ざされているのを見て、ガッカリしながら、たった今上がってきたばかりのエスカレーターで引き返していく人が後を絶たない。
よりによって、山弦がなんばにやって来るこの日に休業するとは、何という事か、、、、
OCATに猛省を促しつつ、怒りをぶつける相手も見つからない。
わめき散らしたいのをぐっと我慢し、1階に降りると、サイゼリアが営業していたので、入店。
煮込みハンバーグとサラダのセットとライス大盛をオーダーして、気分を落ち着かせる。
こうして、6年半ぶりになんばhatchにやってきたのだ。
6時半の予定より少し遅れて開場。
すでに人だかりしているグッズ売り場を物色するが、山弦のアルバムに関して、ほとんど情報を持っていないので、適当に手にしたCD2枚を衝動買いしてしまう。
こんな所で買ったって、アマゾンポイントもタワレコポイントも付かないとも思ったが。
女性スタッフが電卓を叩いて
「2枚で7,000円です」
と言ったので、なんでそんなに高いのか驚愕する。
なんか、この日はやたら驚愕する日だった。
2枚のうちどっちかのCDが2枚組とか3枚組とかなんだろうと決め付けて、7,000円を支払った後で気が付いた。
そのうちの1枚はCDではなくて、DVDだと言うことに。
DVD買ったって、どうせ観る時間ないのにと反省したものの、生きてる限り、いつか観る機会はあるだろうと、明日への希望につなごうと決心する。
別途ドリンク代¥500が必須となっていたので、ノンアルコール人間のワタクシにとって無理の無いメニューのコーラを飲み干してから座席に向かう。
と、先に入った観客達が、カメラやらケータイやら構えてステージ前に集まっている。
ステージに並べられた何本ものギターを撮影しているらしい。
どういうわけだか、近くにいる会場スタッフは撮影を拒否するそぶりも見せないので、ワタクシも撮影会に参加する。
たくさんあったので2枚に分けて撮ったのだが、1枚はブレてしまったので使い物にならない。
ステージ向かって右側には佐橋、左側には小倉ギターの群れ。
ウクレレとか、
スリムな銀杏の葉っぱのような形のギターは、マーティンのバックパッカー。
実はこのバックパッカー、ワタクシも持っているので、上級ギタリストがステージで使うと知ってすんごく嬉しくなったのだ。
だが、ライヴが始まって目の前で小倉が弾いたバックパッカーは、ワタクシのバックパッカーとは全然違うややこしそうなフレーズを難なくこなしていた。
開演前になると、スタッフが
「開演後は撮影禁止です」
と、肉声で告知しながら会場内を回り出した。
そうか、
どうやら、開演前の楽器撮影は、山弦ライヴの暗黙の了解事項らしい。
ライヴでは、MCの口数は多い物の、2人とも一切歌わずにギターに専念する。
ワタクシには、演奏曲のタイトルはほとんどわからないが、チェット・アトキンスとマール・トラヴィスがデュエットしているのかと錯覚する曲もあり、アンコール後の3曲は2人ともエレキギターに専念していた。
全員総立ち(と指示されたのだが)のまま演奏された、そのアンコール後の3曲だが、聴きこむうちに、
「祈り」と「希望」と「強い明日」を感じた。
これらの曲のタイトルも作曲された意図さえもワタクシにはわからないが、演奏しているミュージシャンの心には、きっと熱い物が込められているはずだ。
最後にもう1曲、二人ともアコギを手にしてクールダウン。
全てのギタリストをリスペクトするワタクシとしては、
もっと、山弦のCDを集めなければならない。
だから、もっとライヴをやって欲しい。
そうだ、まず、この日、CDのつもりで間違えて買ってしまったDVDは、必ず視聴しなければならない。
山弦
小倉博和 ギター、ウクレレ
佐橋佳幸 ギター、ウクレレ
with
鎌田清 ドラムス
有賀啓雄 ベース
斉藤有太 キーボード
2006年に桑名正博、茶木みやこのジョイントライヴが国民宿舎あらふねであった折に、会場近くで撮った写真。
時は流れて、
あの時、国民宿舎あらふねと共同でライヴを企画したライヴハウス『ヒポポタマスの遊び人』は、現在、休業中で、そこで使われていたピアノが『音太小屋』に預けられているという。
この『音太小屋』のご主人とは、ご主人が『音太小屋』を始める前に2回ほどお会いした事がある。
そろそろ音太小屋にも、行ってみたいのだが。