ちょっと前置きを。
かれこれ15年ほど前になるが、母親が病んだため、期限を切って、仕事を休んで介護の真似事をした時期があった。
少しずつ様子が変わっていく母親の姿に呆然としつつ、時間の経過だけはやけに早く、復職しなければならない期限がどんどん迫ってくる。
新聞を読んでも、介護を苦にした自殺とか親を殺してしまったという事件ばかりに目がいってしまった。
そうならないための方策など、どこにも見つからなかった。
世間では5年待ちだとか10年待ちだとかの噂が漂っていたが、とりあえず申し込んでおかなれば順番は回ってこないので、何箇所かの老人福祉施設に申し込みだけはしていたのだが、いつ入所できるのかは全くあてにできない状況だった。
このままでは復職できそうにも無い展望に絶望感すら漂い始めた時、申し込んでおいた老人福祉施設から連絡があった。
「4月から空きができるので、入所できますよ」と。
申し込んでから、ホンの2週間ほどの出来事だった。
当時は介護保険制度が始まった年度の移り変わりの時期で、介護保険開始後の費用負担を危惧した一人の入所者の方が急遽退所したらしい。
少し、いやかなり、母親に申し訳なさを感じつつ、その施設にお世話になる事にした。
どうしても負い目を感じてしまうので、母親の面会にはできるだけこまめに行きつつ、ようやく自分の時間を持てるようになった。
復職後の夏、気分転換にクルマで旅行することにした。
行き先は四国大陸。
バイクで淡路島に渡った事はあったが、クルマでフェリーに乗るのは初めて。
高知のビジホと坂出のかんぽセンターに2泊した。
カーナビは付けていたが、まだCD-ROMの物で、走行距離と所要時間を自力で計算しながらルートを決めた。
ワタクシが住んでいる紀伊半島のチマチマとした風景とは明らかに違う、大らかな海岸線と平野にウキウキしてドライヴしたもんだった。
特に感動的だったのが、坂出のかんぽセンターの客室から臨んだ夕焼けの瀬戸大橋。
まだPCもデジカメもカメラ付きケータイ(今はこんな呼び方は死語だなぁ、笑)も持っていなくて写真に残せなかった事は後悔しているが、今でもワタクシの脳内メモリーにしっかりと焼き付けている。
まだネットの使い方も知らないために、電話帳片手に(ネット価格でなく定価で)たまたま予約した宿だったが、よくもまああんな景色にめぐりあえたもんだと思う。
以来、四国大陸はワタクシのお気に入りスポットとなった。
で、ここから本編に移る。
今年4月14日、かねてからの念願だった四万十川に向かった。
念願ではあったがスケジュール的に1泊2日では厳しくて、なかなか機会を作れなかったのだが、2泊3日の休暇が舞い込んできたので
去年行った天狗高原以来の四国大陸上陸となった。
いつもならば30分前に乗船待ちのクルマの列に並んでいるはずなのだが、この日は家を出るのが遅かったのだろう、和歌山港の切符売り場に着いたのがフェリーの出航時刻10分前というギリギリになってしまった。
少々焦り気味に窓口に行くと、
「まだ充分時間はありますよ。」
との優しいお言葉をいただいて、滑り込むように乗船を果たして、ホッ。
2時間あまりフェリーでゴロゴロしていると、徳島港に到着。
11:30、那珂川の道の駅で休憩。
なぜか目を惹く、アザラシのモニュメント。
ナカちゃんという名前を聞いて思い出した、
1頭のアゴヒゲアザラシが突然、那珂川に現れたのが2005年11月。
大変な人気者になったのだが、翌年8月に死んでしまった。
そうか、ここに居たのか君は。
その近くでこれまた目を惹く、サイのモニュメント。
こちらの名前は開示されていなかった。
ドライカレーの昼食後、道の駅の中を散策。
四国の観光スポットを紹介するポスターが何枚か貼ってあったのだが、この風景が気にいってしまった。
いかにも古そうなダムではないか。
観音寺市の豊稔池堰堤だという。
次回の目的地にしようかなぁ、、、、、、。