
【2012年9月9日】 TOHOシネマズ二条
フランスで大ブレークした、実話にもとずく映画というけど、やっぱり娯楽映画だ。
なんとも、着想が『ハリウッド映画的』だ。
ハンググライダーの事故で首から下が不随になった《大富豪》の介護にあたるヘルパーを募集するのだが、みな2週間も続かないという。

ある日、失業給付をもらうための求職活動で印だけ貰うつもりでやって来た黒人のドリスは多くの面接者のなかで、何がどう良かったのか分からないまま、1か月の試用期間を与えられる。

実話にもとづく映画だと言うから、もっと《シン》のある映画だと思ったが、大富豪と最下層の黒人が、お互いの身分が大きく違うにもかかわらず、どのような共通の《価値観》あるいは《引き合う力》によって一緒になったかよくわからない。
話が突飛すぎるのだ。登場人物も、みな面をかぶった画一的なキャラクターで、配役に個性や現実性、具体性がない。
どうして大富豪でいられるのか、なぜ貧困に喘いだ生活を送らねばならないのか、その辺の描写がほとんどない。
そういう細部を描いた上で、そんな《格差》を乗り越え『共に理解し合える仲になったのだ』と言うことが描けていれば、ずっと感動的だったのに。
まあ、堅いこと言わずに、「エディー・マーフィー」の映画を見るように気楽に見れば、それでいいのかも。

それにしても、あの二人乗りのパラグライダー、助走なしによく飛び立てるものだな!
『最強のふたり』-公式サイト