【2012年6月24日】 京都シネマ
北朝鮮から韓国に脱北してきた青年の、ソウルでの不器用な生活を生活を描く。
日本にいたら朝鮮半島の情勢に疎いし、だいたい南北の今の関係やら、《脱北》の現状やらよくわからない。脱北者が年間どのくらいいて、また韓国内でどのように受け入れられているかということも、公式サイトの記事を読んで初めて知った。
だから、映画に出てくる《刑事》はどんな関係の人かと、はじめ見たときはわからなく理解に苦しんだが、後でそういうことかと。住民登録証が生活の中で大きな意味をなしていること-「125」番で始まる番号が《脱北者》を表していることなど、知ろうはずがない。
そして、一般住民が北朝鮮や脱北者をどう思っているのか、もう少し映画の中に描けていれがと思った。もうひとつ日本人にわからないのは、キリスト教・教会の韓国における影響である。主人公のスンチョルが教会に出向くが、これ個人に限った傾向なのか、日本より広範にキリスト教の影響力があることの表れなのか、よくわからない。
“『息もできない』のヤン・イクチュンにつづく新たな才能の出現”と礼賛するが、『息もできない』に比べたら、やはりもう一つインパクトに欠ける。
それに、《衝撃的な最後のシーン》というが、少し大げさなような気がする。
『ムサン日記~白い犬』-公式サイト