【2010年1月26日】 京都シネマ
1944年、ナチス・ドイツに占領されたデンマークの首都コペンハーゲンが舞台。
フラメンとシトロンという歴史上実在したふたりの男を中心にストーリーは展開する。
実際にいた人物をモデルに映画を作ると、その個性なり実際の行動を無視して話を進めるわけにはいかないから、今と全く違う状況に置かれた彼らの価値基準や行動原理を理解するのは難しい。
頭を打ち抜いて抹殺する、人を人と思わないやり方で殺すなどということは、戦争体験の無い今の世代にとって“あり得ない”解決の仕方と思うのが当然であるが、当時はそんなことは言っていられない状況だったに違いない。
今の価値観で言うと、そのようなやり方は“ナチスだけが”やっていた悪魔のような蛮行と思えるが、そんな単純なモノではない。
だから、この手の映画を見るのはすごく疲れるし、気が滅入ってくる。
しかし、過去の歴史から目を背けるわけにはいかない。
-ただ、“生きる”ためなら降伏を、
-だが、“存在する”ためには戦いを-
「誰がために」、そのような行動を取ったのか、取らざるを得なかったか、そもそもどうしてそのような事態になったのか、やはり見ておく必要があるし、理解したいと思う。
「誰がため」-公式サイト