宝石の 爪もつ十指 蝦蛄葉仙人掌
妻が数年前に娘から送られた「シャコババサボテン」の丸い蕾が平たく変わり始めた。
蕾は、ルビー色のマニュキアをした硬い宝石の爪のようだ。
角を生やした長方形の葉をつけた茎は、開いた十指のようだ。
薄ピンクに平たく咲いた先のむく毛は処女の如く可憐さを補う。
妻は毎年挿し木をしたり季節に応じて置き場所を変えている。
暫らくは家中のアチコチで楽しめそうだ。
宝石の 爪もつ十指 蝦蛄葉仙人掌
妻が数年前に娘から送られた「シャコババサボテン」の丸い蕾が平たく変わり始めた。
蕾は、ルビー色のマニュキアをした硬い宝石の爪のようだ。
角を生やした長方形の葉をつけた茎は、開いた十指のようだ。
薄ピンクに平たく咲いた先のむく毛は処女の如く可憐さを補う。
妻は毎年挿し木をしたり季節に応じて置き場所を変えている。
暫らくは家中のアチコチで楽しめそうだ。
妻の日の 朱を極める ポインセチア
11月の妻の誕生日が終った。
来年は70才の大台に乗るが女性の平均寿命から見たら、差当たり《老人予備軍》である。
娘から真っ赤な「ポインセチア」を贈られた。”赤色が一番良いのを選んでもらったんだよ...”と親子の会話が弾む。
5人の孫からの次々の電話に笑顔で応じる彼女だった。
明日は二人揃って「日赤予約日」である。
"検査精度が進み複数病息災の時代かな..."
日を亡きし 庭の一隅 石路の花
春先までは日を失った庭の一角、それも石影に《つわぶき》が灯を灯してくれた。
葉の縁が僅かに茶色を帯びた分厚い葉の中ほどに、4.5本の茎を伸ばした
先の黄灯がいじらしい
身近の光を目一杯掻き集めてはエネルギーにしてしているのだろうか?
初冬に嬉しい一景である。
立冬や 外人記者の 問ふ老後
隣国KのNBCーTV在籍で日本留学中の知り合いの記者が訪ねて来た。 ”K国では退職後の再就職は社会的に忌避され隠遁生活の習慣があるが日米英等の先進国は?”の企画意図のインタビューだった。
日本では”自由であり、悠悠自適生活と長寿の源となっている”と自身と仲間達の生活実態を紹介した。
記者が帰った後”「濡れ落葉」「ニート族」「フリーター」...”等最近の気になる日本事情について自問自答していた。
道険し 紅葉を知らぬ ドライバー
各地から”紅葉が盛り”のニュースが飛び交う。
丘陵でゆるりと仰ぐ紅葉、バス幅しかない険しい山峡でスリルを味合いながら見る紅葉と色々だ。
どちらにしても、老人仲間はウーイークデーに行くに限る。
最前列の席に座ると紅葉と、険しい表情で運転する運転手のハンドルさばきの両方を堪能できる。
今日は「彩の国いきいきフェスティバル」が「埼玉県県民活動総合センター」であり、《子ども遊び広場》で終日手伝う予定だ。
枯蓮を イエスの像に 重ねゐし
初冬になり草木が種の保存劇を展開している。
6月から楽しませてくれた蓮も、頭を横にして種を飛ばした後は、ガクリと首を垂れて眠りについた。
その姿は痛々しくもあり、キリスト教信者でもないのに敬虔さを感じる。
立ち枯れた蓮にイエス像を重ねた一時であった。
縦横に 熟す花梨に 透ける空
花梨(かりん)が熟すと思い出すことがある。
二十歳代に洋行帰りの工場長に勧められて友達といち早く小型車の免許を取った。
工場長は小型の自家用車をもっていて休日になると、若者をドライブに連れ出す。遠距離時の運転交代が工場長の目的でもあり若者の大いなる期待でもあった。
フロントとリア-には決まって花梨が1.2個置いてあった。
今は、自家用車用の芳香剤が選択に困る程揃っているが、昔は代役の一つだった。
芳香を放つ金柑に若き日の一ページを思い出す。
折り紙は 紅葉のチラシ
フェスティバル
今日は 文化の日 である。朝方は国旗を掲げ一番咲きの山茶花一輪を活けた。
各種文化祭が引き続きあり、妻も私も多忙な一時である。
11/6の「彩の国いきいきフェスティバル」私、11/11の「国際交流会?」(サンシャイン)妻、11/12~の「H公民館祭り」(二人)
妻のは留学生などと交流する「着物着付け会」と「折り紙細工」。
先月末から、暇を見つけては準備に余念がない。
折り紙の素材は、紅葉や観光案内の新聞折込のチラシである。
折畳んだ見本もカラーフルで”good idea"である。
デジタルの 人との絆 稲雀
近年の稲の収穫は オートシステムだから、稲架もなく、三角形に干した稲柄が少少あるばかり。
案山子も消えた田んぼは荒涼と化し冬将軍風が渡り始めた。
コンバイン機が入らないのか、未収穫の所々には稲雀が群がっている。
人と雀の絆は奇妙である。、1かO(ゼロ)のデジタル関係を思わせる。行けば逃げ、遠ざかると戻る。しかし、何時も一緒である。
家出していた雀が戻って熟した果樹をあさっている。
合併の 市役所辺り 椅子の樹の実
K市の市役所横通にある緑化センターでの4日間の「文化祭」が成功くりに終って一息ついている。
期間中この近辺をよく散歩したとき「椅子の樹」と名札のついた樹を見つけた。
実は、最初小粒の長細だったが、やがて弾け始めていた。
そういえば、K市も合併が終ったばかりである。
合併で首長職をなくした方に”ご苦労さま”と呟いた。