遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

笑う子規

2019-02-26 16:01:02 | 日記
平成31年2月26日(火)

毎年よ彼岸の入に寒いのは    正岡 子規

「笑う子規」: 筑摩書房 出版


正岡子規 著、 天野 祐吉 編、 南伸坊 絵

四国の旧制松山中学出身のコラムニストの天野祐吉さんが
松山に在る「子規松山記念館」館長をされていました。

「俳人、正岡子規」の作られた俳句、凡そ2万4千句の中
から、俳諧の本文である、滑稽、おどけを基に、
「笑える俳句」を選び編集された。
これに、イラストレーターの南伸坊さんがユーモラスな絵
を付けられ、楽しい俳句本となった。


「新年」の20句、「春」の27句、「夏」の39句、
「秋」の31句、「冬」の26句、 計133句。
季節毎に、クスリと笑える、ユーモアのある俳句集、、
夏に多いのは、冬の寒さから解放された気軽さからか、
川柳とは違う、季節感あふれる親しみのある句が多い。

最近、夏井いつきさんのTV番組に依る影響もあり、
俳句に親しむ方が増えている様で、とても喜ばしい事。

俳句の偉人「正岡子規」の俳句の中にも、俳句の規則に
縛られず、生活の中に身近に在る題材から気儘に気楽に
作られた句も多く在ります。    冒頭に在る、
「毎年よ彼岸の入に寒いのは」の句は、母親が子規に対し
て発した言葉を其の儘、句にしたとの記述がある様です。

基本は大切ですが、難しい語彙に捉われず、肩の力を抜い
て、気楽に作句したいものです。


笑う子規、春の句 

人に貸して我に傘なし春の雨



春雨や裏戸開け来る傘は誰

蝶々や順礼の子のおくれがち


銭湯で上野の花の噂かな

のどかさや娘は眠る猫が鳴く

おそろしや石垣崩す猫の恋

大仏のうつらうつらと春日哉


(笑う子規、筑摩書房 出版 より)