令和3年11月8日(月)
立 冬 : 冬に入る
二十四節気の一つ。霜降のあと十五日で太陽の黄経が225度
に達するときを言う。陰暦の十月(陽暦の11月7日頃)。
これから冬に入るわけだが、この頃になると日差しも弱まり、
日の暮れこ早くなって冬の季節風も吹き始めてくる。
詩人の高村幸太郎の「きっぱりと冬が来た」という、一行で
始まる詩があるが、そのようにある緊張感をもって季節の折
り目をはっきり感じさせるのが立冬である。
未だ周囲の自然は晩秋の色が深いが、朝夕には手足の冷えを
覚える。
また、「今朝の冬」は立冬の日の朝をさす。
先日、名古屋港に帆船(日本丸、海王丸)の2隻が入港した。
早速、埠頭へ出かけてみた。
スッカリ街路樹も紅葉し、昨夜からの強風の所為か路上の落葉
も多くなったようだ。 あばら家の前に「野アサガオ」が覗く。
埠頭公園に入ると、「石蕗の花」や「キミガヨラン」(ユッカ)
(図鑑では多分?)のクリーム色の蘭に似た花がソテツのような
葉の間から咲き盛っていた、、、、(こんな季節に?)
石蕗の花
キミガヨラン(ユッカ)、、、ソテツ?
ガーデン埠頭には、2隻の帆船(日本丸、海王丸)が、、、、
明日は早くも出航とか、、今回は船上の一般公開は無かった様
で、出航に際し「登檣礼」(とうしょうれい)という儀礼は行わ
れるだろうか、、、、?
とにかく明日、見送りに出て見よう、、、、、
今日の1句(俳人の名句)
凪ぎわたる地はうす眼して冬に入る 飯田 蛇笏
四季の自然のたたずまいは晩秋の感じがまだ残って居り、山野にも
冬に入っていくとのにとまどいが在る。そんな季節の移り行く微妙
な姿を全身全霊で受け止めている。 これから長い冬の眠りに入って
行く大地の様子が、立冬の日である。
ならば、まさに「うす眼」の表現がぴったりである。 しかも風の
絶えた凪の時刻。 辺りから物音ひとつ聞こえてこない静けさの中で
自然と一体となり、息を交わしている霊気がこもる。
昭和27年(1952年)作、句集「家郷の霧」所収。
(句評:福田甲子雄、新日本大歳時記・冬より、引用した)