田舎人の徒然日記

退職後を故郷で暮す1948年式男の書き散らし

恥ずかしながら「蹴出し」が何かを今頃知った

2021-02-03 | 日々の暮し
時代小説を読んでいると「蹴出し」という言葉に時々出会う。
着衣の一部だろうと推測するも何かは分からない。
無視して読み進んでいた。
それが団鬼六の「鬼六の不養生訓」を読んでいて分かった。


▲今日は立春。チューリップの蕾を発見。これ「鴇色」というのかな

彼が新聞社に渡した原稿に次の表現があった。
「風に煽られて裾前がはだけ鴇色(ときいろ)の蹴出し(けだし)がチラとのぞいた」

編集の若者から「鴇色の蹴出し」とは何かと聞いてきた。
そこで、氏は蹴出しとは湯文字、つまり腰巻の事、鴇色とは薄紅色だと教えた。
編集者は新聞小説なのでもっと分かりやすい言葉を使ってもらえないかと言った。
結局、新聞では「ピンクの腰巻」と直されていた。

この部分で蹴出しとは腰巻のことであることを恥ずかしながら今日知ったのであった。
ま、男が身につけるものでないから知らんで不思議はないか。
本読みの小さな成果だった。