午前中にラブタッチでの「ふじ」の授粉は終了しました。昼前からポツリポツリと雨が降ってきて、丁度、降り始めの時点で終わることが出来た。後は、来年のための花粉の採取もしなくてはなりませんが、雨が降ってきたので午後は苗木作りをする。
先ずは、台木に使うマルバ海棠の採取から始めます。台木の採取?といっても、実は、なんてことはない、りんごの樹の根元に生えてくるヒコバエです。りんごの苗木は種から育つものではなく、台木に接ぎ木して作るもので、その台木の部分から出たヒコバエを利用しているだけだ。以前はヒコバエを摘果の時期にスコップで一生懸命抜いて捨てていました。あるときに気付いたのですが、根が付いているものが多く、これは勿体ないと思い、これを利用しようと思いました。ヒコバエの中でも丈夫なものを残して、それ以外は抜く・・・というよりも間引きします。残ったものを肥培?というよりは放っておく・・・と言った方がいいのかも・・・。これは肥料もいらなく、養成するスペースも要らないし、なんといってもただである。これぞ「見方を変えれば味方になる・・・。」だ。
スコップで土を取り、根が有るものを確認したらスコップ、または手でむしり取るだけだ。立派な台木をゲットです(^^;)。
来年、使えそうなものは残しておきます。
今回はこの位採取しました。
さて、苗木作りを始めます。先ず、採取してきた台木を適当な長さにカットします。
これは穂木で、クサビ状にカットします。
次に、台木の方をこのようにカットします。
このように切れ目を入れます。
そして、穂木を挿します。このときに気をつけなければならないことは、穂木と台木の皮の部分をしっかりと合わせることです。なんといっても養分は皮と木質部の間の形成層というところを通りますのでずれると活着しません。
ビニールテープでしっかりと固定します。
仕上げに、メデールテープという引っ張れば伸びるテープで台木と穂木の巻き付けて乾燥を防ぎます。このテープは活着して発芽するときにテープを破って芽が出てくる優れもので、そのまま放っておいて大丈夫です。
これで完成です。至って簡単です(^^)。
最後に畑の空いているところに堆肥や土壌改良材を撒いて耕したところに植えて、終了です。苗木が出来ればりんご園の中で空いているところに配置して仮に植えて、伐採した後に育った苗木を定植します。こうやって常に育成選手を育てておきます。芽が出るのが楽しみです。