読み聞かせ日記@矢野学習教室(千葉県山武市)

矢野学習教室で読んだ本をご紹介。塾の日記も。

『ハンサム・ガール』(小4に紹介した本)

2023年04月16日 | 哲学・生き方の本
久しぶりの更新になってしまいました…。
新学年の時間割での授業開始、息子の入学式、授業で紹介するべき本を読む…など色々取り組んでいたら、ブログの更新がすっかり後回しに…。
これから、再びコツコツ更新していきますね!

さて、先週の小4オンライン国語クラスで紹介した本は、こちらです。
 主人公は、小学5年生の柳二葉。女の子で、野球が大好き!
二葉の家族は、元プロ野球選手で、今は何でもこなす専業主夫のお父さん、仕事をバリバリこなすお母さん、15歳のお姉ちゃん。
二葉は、お父さんが家にいて、お母さんが外で仕事をして家計を支えていることを、普通の家庭と違うと感じ、恥ずかしく思っているのですが…。

男の子ばかりの野球チームでプレーすることになった二葉は、「女だから」という偏見と闘うことになります。
本書で描かれているのは、友情や「友達以上恋人未満」のような関係、家族の成長、そして二葉自身の成長…。
読み終わった後には、「自分らしく生きればいいんだ!」と強く思えるのではないでしょうか。

また、こちらは1991~1992年に書かれた作品なので、親世代にとっては懐かしさを感じる描写も!?
元気になれる1冊です!
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『君たちはどう生きるか』(中学生に紹介した本)

2023年03月05日 | 哲学・生き方の本
一昨日の中学生国語道場クラスでは、中1国語の教科書にも載っているこちらの本をご紹介しました。
 主人公は中学2年生のコペル君。
コペル君というのはあだ名で、本当の名前は本田純一君です。

コペル君というあだ名は、お母さんの弟にあたるコペル君のおじさんがつけたものです。コペル君のお父さんは、2年前に亡くなってしまいました。その後、郊外に引っ越したコペル君の家に、大学を出てから間もない法学士のおじさんがちょくちょく訪ねてくるようになったのです。

コペル君は、おじさんとの対話やノートを通して、人生における様々なことを考えていきます。
例えば、「友人関係」、「立派な人とは?」、「自分と世界のつながりについて」、「世界の学問や芸術について」など…
話は、人類の2000年の歴史にまで及びます。

こちらの作品は、少し前に漫画化されたので、内容を知っている生徒さんもいらっしゃって、内容説明の部分はあまり興味がなさそうな雰囲気(?)だったのですが、私がこの作品を書かれた時代背景について話しはじめると、クラスの雰囲気が一変しました。

(以下は、1967年に吉野源三郎氏が書かれた「作品について」を参考に、まとめております。)

1935年10月に山本有三氏が編纂された『日本少国民文庫』の第一回の配本、『心に太陽を持て』という本が出版されました。『日本少国民文庫』はだいたい毎月1巻ずつ出され、1937年の7月に完結しました。『君たちはどう生きるか』はその最後の配本でした。
1935年といえば、日本国内では軍国主義が日ごとにその勢力を強めていた時期です。1937年7月には盧溝橋事件が起こり、中日事変となり、日中戦争がはじまった年でもあります。
ファシズムが諸国民の脅威となり、第二次世界大戦への危機感が全世界を覆っていました。
『日本少国民文庫』の刊行は、このような時勢を考えて計画されたものでした。当時、軍国主義の勃興とともに、すでに言論や出版の自由は著しく制限されていました。
その中で、山本有三氏は「少年少女に訴える余地はまだ残っているし、せめてこの人々だけは、時勢の悪い影響から守りたい。今日の少年少女こそ、次の時代を背負うべき大切な人たちである。この人々にこそ、まだ希望はある。だから、この人々には、自由で豊かな文化のあることを、何とかして伝えておかねばならないし、人類の進歩についての信念を今のうちに養っておかねばならない」と思い立ち、『日本少国民文庫』を刊行されたのでした。

(ここから、私のクラスでの話に戻ります。)
クラスでは、こちらの年号を書きました。
1935
1937
1941
1945

自由な言論が制限される中、『日本少国民文庫』が刊行された1935年。
『君たちはどう生きるか』が刊行され、日中戦争が始まった1937年。
太平洋戦争が始まった1941年。
そして、東京大空襲、沖縄戦、広島、長崎への原爆投下、終戦の1945年。

1943年からは、学徒出陣も始まっています。

『君たちはどう生きるか』を読まれた方なら分かると思うのですが、この中に登場するコペル君やその友人たちは、今の中学生と何ら変わらない子どもたちです。
そして、『きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記』を読んだ方は、その内容の深さに、「今の二十歳そこそこの人たちは、こんな考え方には到底いたらないだろう」と感じた人も多いと思います。
 
しかし、時代や政府によって、死の淵に追いやられるという理不尽な極限状態を経験させられているからこそ、そのような精神年齢や考え方に達して「しまった」とも言えるのではないでしょうか。

『君たちはどう生きるか』に登場するコペル君や友人たちは架空の人物ですが、コペル君に共感していた当時の多くの子どもたちが、その後、戦争で命を落としたり辛い経験をしたりしたであろうことを考えると、胸が苦しくなります。

世界情勢が不安定な今、日々の生活を守っていくためには、一人一人が自分の頭で、本当に大切なことについて考えることが不可欠だと思います。

『君たちはどう生きるか』では、「おじさんのノート」というおじさんからコペル君へのメッセージが随所に挟まれています。そして、コペル君は自分の考えを深めていくのです。
物語の最後は、コペル君がおじさんのようにノートをつけ始めるシーンで終わります。そこには、おじさんへのメッセージ、コペル君自身の気持ちが書かれているのですが、今の時代にこそ必読だと思います。

真剣に話を聞いてくれた生徒さんたち。
私の話が、彼らにとって考えるきっかけになっていれば嬉しいです。

こちらの本は、塾に置いてありますので、是非読んでいただきたいと思います。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高橋是清!

2023年01月05日 | 哲学・生き方の本
先月、学生時代の友人がこちらの本を送ってくださいました。

こちらの友人は、私に『高橋是清自伝』を紹介してくださった方です。
 
 学校での歴史の学習では、「大蔵大臣として活躍し、二・二六事件で殺害される」といった内容が印象深い高橋是清ですが、こちらの自伝を読むとその人生の波乱万丈ぶりに驚きます!!
生まれて数日で里子に出され、13歳の頃には酒や賭博を覚え(英語の勉強もしています)、捕まえたネズミをフライパンで焼き、14歳の頃にはアメリカに行くことになるのですが、身売り契約書にサインをしてしまったため奴隷扱い…。
とりあえず、高橋是清自伝の上巻の最後では、彼は37歳で妻子を持ちながら無職で、衣食のために苦慮せねばならぬ身分になっています…(ここまでの展開も、世界規模で本当に凄い!!)。

今回送ってくださった本には、高橋是清の人生がまとめられており、写真資料もたくさん載っています。年始に読んだのですが、改めて彼の人生のスケールの大きさを改めて感じました。
13歳の是清に「私の道具でネズミを焼くことだけは止してください」と諭した、横浜の英国銀行のアレクサンダー・シャンドが、のちにパース銀行のロンドン支店長として是清の外債募集(日露戦争戦費調達)を助けることになるなど、まるでドラマのような人生なのです。

『高橋是清自伝』を読むと、「あのときにつながっていたこの人が、こんなところで!そして意外な展開に!」ということがよくあります。

私も40半ばを過ぎ、「学生時代のあのつながりが、こんなところで生きてくるんだ!」と驚くことが時々あります。
毎日を全力で生きていれば、人生は自分が予期しないような面白い展開を見せるのかもしれません。

苦しいことがあっても、「高橋是清の人生の波乱万丈ぶりに比べれば、大したことない」と思わされます。そして、人生が続いていく限り、あきらめずに前を向いて歩いていくことが大切なのだと感じます。

ちなみに、こちらの友人とは昨年、読書会(本について語る会)を開催しました!(友人が中心になって開いてくれました)
その時の様子は、こちらの記事で。
この友人とのつながりも、私の人生における面白い展開のうちの一つ。
30年来の大切な友人です。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『貝の火』(小3に紹介した本)

2022年07月09日 | 哲学・生き方の本
この度ご縁がありまして、6月下旬から東京にお住まいの小3生に、オンラインで国語を教えています(オンライン授業は週1回30分授業です。マンツーマン授業ということもあり、授業料は通塾生の通常授業と同じ金額です。その他、教材費やテキスト代がかかります)。
授業では、国語の長文読解問題と読書とをつなげていただきたいという思いから、長文読解問題の出典の本を可能な限りご紹介しています。
6月最終週の授業では、こちらの本をご紹介しました。
 (授業でご紹介したのはこちらとは別の挿絵の絵本ですが、文章は同じです)

子ウサギのホモイは、川でおぼれていたひばりの子を助けました。
そのお礼として、ひばりの親子から「貝の火」という宝珠をもらいます。
「貝の火」は、とちの実くらいあるまん丸の玉で、中では赤い火が燃えています。
この玉は手入れ次第で、どんなにでも立派になる代わりに、このまま一生満足に持っていることができた者は、今まで鳥に二人、魚に一人あっただけだという言います。
「貝の火」を美しいまま持ち続けるために必要なこととは…。

宮沢賢治の作品である「貝の火」。
正しさや権力、心の強さや弱さについて深く考えさせられるお話です。
読み応えのある1冊です。
人気ブログランキング←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです♪
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へにほんブログ村←こちらもクリックしていただけると嬉しいです♪

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『超訳 ニーチェの言葉』(中学生向けブックトーク・テーマ「哲学」)

2022年05月14日 | 哲学・生き方の本
先週の中学生向けブックトークでご紹介した2冊目の本は、こちらです。
 19世紀の後半に生きたドイツの哲学者、ニーチェ。
『ツァラトゥストラはかく語りき』などの著作が知られていますが、この本では、ニーチェの様々な著作から現代人のためになる言葉が紹介されています。「己」「喜」「生」「心」など全部で10章に分かれており、1ページに一つの言葉が載っていますので、中学生にも読みやすい構成になっています。

ブックトークでは、ニーチェやこの本の概要について簡単に説明した後、「初めの一歩は自分への尊敬から」「勉強はよく生きることの土台となる」という言葉を紹介しました。
こちらの本は塾に置いてありますので、是非じっくり読んでみてください。

私にとって初めての試みだったブックトーク。
良い意味で少し緊張しましたが、予定していた制限時間5分きっかりに話を終えることができ、心の中でガッツポーズ!新しいことに挑戦するのは大人になってもやはりドキドキしますが、同時に、心が高揚するとても楽しいことでもありますね!
そして、生徒さんたちが真剣に話を聞いてくれて、とても嬉しかったです!!
紹介した本は教室の後ろの机に置いておいたのですが、授業後、手に取って読んでくれている生徒さんもいらっしゃいました。

次回以降も、生徒の皆さんの気づきにつながるような本を紹介したいと思っています。
人気ブログランキング←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へにほんブログ村←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする