ルクノス ~ともし火~

日本聖公会 北関東教区 宇都宮聖ヨハネ教会のブログです。

大斎節 第2主日

2006年03月12日 | ショートメッセージ
大斎節はイエス様の受難と十字架を黙想する季節です。

本日の福音書(マルコによる福音書8:31-38)では、
イエス様に従いたいものは自分の十字架を背負ってくることが求められています。
ここで言う、イエス様に従うということはどのようなことなのでしょうか。

先主日の福音書ではイエスの荒れ野の誘惑が語られてました。
マタイやルカを見ると誘惑の内容が細かに記されていますが、
マルコではそっけないくらい簡潔に
「サタンから誘惑を受けられた」と書かれているだけです。 
そこで、マルコが言いたかったことは、サタンの誘惑は荒野だけでなく
イエスの生涯のいたるところでイエスを待ち構えていたということではないでしょうか。

イエスが苦しみと死、そして復活について語り始めると、
ペトロはイエスを制してそれをいさめています。
そこでイエス様は彼を叱り付け、「サタン引き下がれ」といわれました。
このペトロの行動もそうしたサタンの誘惑のひとつとして描かれています。

ここで注目したいことは、ペトロは弟子たちの思いを代表して行動したのであり、
しかもイエス様のこの言葉は「弟子たちのほうを見ながら」語られているという点です。
イエス様がペトロだけでなく弟子全体にこの言葉を投げかけていることがわかります。
すなわち、私達はサタンの誘惑を受けているだけではなく、
自分自身が人を惑わすサタンになりかねないということを
表しているのではないでしょうか。

執事 マタイ金山昭夫 《2006.3.12 週報より》