10年近くの仙台赴任を終え、2015年5月から大阪へ赴任中のオヤジの日記です。
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よっぱのときどき日記



文章塾♪
今回、提出したのはこれ↓↓↓


題名『神様…』

以下本文

 「昨日から頭が割れるように痛いんだ。今日は会社を休むよ。」
 「あら、でも出張だって言ってなかった?」
 「あぁ、だけどこの痛みはどうにもならないよ。これで飛行機なんかに乗ったら本当にどうにかなってしまいそうだ。会社に連絡を入れて病院に行ってくる。」
 「送ろうか?」
 「大丈夫。タクシーで行くよ。もし何ともなければそのまま後追いで出張に出るよ。」
 「じゃあ準備はそのままで良いわね。」

 『ポーン』
あら、何かしら。珍しいわねあの人がメールなんて。[ちょっと、厄介なことになった。市立病院まで来てくれ] !?どうしたのかしら?

 病院に向かう車中でそのニュースを聞いた。
 『ニュース速報です。今朝8時25分に仙台を飛び立った福岡空港行きの航空機のエンジンから突然火を噴き、博多港沖に墜落したとの第一報が入りました。事故の詳しい原因はわかっておりませんが、乗員乗客158名の生存は絶望的な状況です。』
 8時25分仙台発福岡行きといえばあの人が乗るはずだった飛行機!
 「あぁ、神様。ありがとうございます。頭痛のおかげであの人は助かりました!」
 涙がどっと溢れ一瞬前が見えなくなった。

 「あの…」
 「奥さまですね。詳しいことはこちらの部屋で。」
 「あの、先生いったい… 主人は?主人はどうしたんですか!?」
 「奥さん。御主人は今、緊急手術中です。普通はご家族の方が到着されてから同意書にサインを頂いて手術を始めるのですが、一刻の猶予もない状況でしたので緊急手術という手段を取らせて頂きました。」
 「えっ!? 主人は?主人はどんな状況なんですか?」
 「脳に大きな腫瘍が有り、圧迫されたことが原因で血管が破れてとても危険な状況です。腫瘍の摘出も考えると耐えられるかどうか…。ですが、最善を尽くさせて頂きます。」
 「どうか命だけは… 命だけは… よろしくお願いいたします。」

 今、私の傍にはリハビリを続ける主人がいる。総てを失ったけど、命だけは助かった。そう、命だけは…


以上800文字(改行・空白除く)



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