林古渓
浜辺の歌
半紙
割り箸
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一
あした浜辺を さまよえば、
昔のことぞ しのばるる。
風の音よ、雲のさまよ、
よする波も、かいの色も。
二
ゆうべ浜辺を もとおれば、
昔の人ぞ、忍ばるる。
寄する波よ、かえす波よ。
月の色も、星のかげも。
(「日本唱歌集」岩波文庫)
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一番の「あした」が「明日」ではなくて、「朝」だと分かるまで
ずいぶんかかりました。
二番の「もとおる」が、「まわる・めぐる・徘徊する」だと分かったのは、今。
ああ。