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一日一書 1633 寂然法門百首 22

2020-06-01 11:06:26 | 一日一書

 

清夜観星

 

雲井まで浮木に乗りてゆかねども星合(ほしあひ)の空をうつしてぞ見る
 

 

半紙

 

 

【題出典】『摩訶止観』二・上
 

【題意】 清夜観星

  清夜に星を見る(ように十方の仏を見る。)

 

【歌の通釈】

大空まで筏に乗って行かなくても、七夕の空を心に映して見るよ。(遙か遠くの十方の国に行かなくても、十万の仏を心に映して見るよ。)


【考】

秋の部であるので、「七夕」に関する故事を利用した。張騫(ちょうけん)は、遙々筏に乗って七夕の空を尋ねたが、常行三昧を修行する人は、その場にいながらにして星のような十方の仏を見ることができる、といったもの。


■「張騫」=漢武帝に「天の河の、みなかみ尋ねてまいれ」と命じられ、浮き木に乗って天の川の源流を尋ねたという故事がある。
■「常行三昧」=天台大師が説いた四種三昧の一つ。九〇日間を一期として、常に阿弥陀仏の周りを歩きながら。阿弥陀仏の名を唱え、心に阿弥陀仏を念じる。

 

(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)



遙か遠くに仏を求めて出かけなくても、仏は心の中にある、ということでしょうか。

 


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