1月上旬に、日本の学生さんを連れて、西ヌサトゥンガラ州(NTB州)環境森林局にZero Waste運動についてヒヤリングにでかけました。
Yui-Tool telah wawancara tentang program Zero Waste oleh pemerintah di Dinas Lingkungan Hidup dan Kehutanan NTB, bersama mahasiswi dari Jepang.
一緒に行ったのは、ドゥルカディチームのマデくん。
対応してくれたのは、シャックルザリさん(中央の人物)とそのスタッフらです。
NTB州は、現在Zero Waste(ゼロウェスト)運動に力を入れています。
現州知事が任期中(2023年まで)に、ごみ問題を少しでも解決したいと言うことのようです。
環境森林局の前には、こんな看板が。
下の部分には、「さあ、ごみは自分で分別しましょう!美しく持続可能なNTBのために」と書かれています。
州政府は、州内に「ごみ銀行」を増やそうとしています。
ごみ銀行とは、日本で言うところの廃品回収のシステムのようなもので、集めたプラスチックごみをアップサイクルして販売したり、住民がごみで貯金ができたり、インドネシア独自の取り組みです。
ごみ銀行は本来市民のボランタリーな活動で、行政支援はほとんどありませんが、NTB州では新たにできるごみ銀行に資金を援助する取り組みを始めました。
役所のスタッフによると、NTB州全体で(ロンボク島だけでなく、隣のスンバワ島も含めて)一日あたり3,388トンのごみが排出されていて(2018年のデータ)、そのうち51トンがリサイクルされているそうです。埋め立て地に運ばれているのは641トンということでした。残りの2700トン/毎日はどこに行っているのでしょうか?
面白い話を聞きました。
現在、BSF(ブラック・ソルジャ-・フライ)というハエの幼虫に生ごみを食べさせる実験がスタートしているそうです。
現在は、病院・ホテル・モール・市場のオーガニックごみ(1.2トン/日)を集めて処理しているということでした。
プラスチックごみに関しては、住民が分別をして「ごみ銀行」へ持って行ってリサイクルすること、使い捨てプラスチックを削減していくこと、を目指します。
ただ、その計画と実態の間に、大きな開きがあるのがインドネシアです。
こちらから指摘した、Zero Waste運動の課題は、以下の通りです。
●新しくできるごみ銀行への支援だけで、既存のごみ銀行への支援がないこと。
●資金ほしさにごみ銀行を作り、活動の実態のないごみ銀行が今後増えると予測されること。
●ごみ銀行への支援金を配布を担当している、ビンタン・スジャトラごみ銀行(代表:シャワルディン)の悪い噂を聞いたこと。(支援をしたごみ銀行のリストがない⇒つまり、本当にお金を配ったのか、身内贔屓をしていないか等々の疑惑)
●ごみ銀行がリサイクルできるごみを廃品業者に売るときに、市場価格に振り回されるので、価格を一定にする仕組み(親となるごみ銀行を作り、価格を固定するなどの工夫)が必要だということ。
日本でもそうですが、インドネシアでも何か問題があると行政を責めるのが常です。
でも、こうやって行政側の計画を聞く機会があると、行政と市民の対話や行政施策の市民への説明の大切さをひしひしと感じます。
ゆいツールとしては今後、NTB州のZero Waste運動が実のあるものになるように、「ごみ銀行のシステム紹介」や「ごみの分別に関するプログラム」などを行う研修を、学校の先生や村の職員向けに実施したり、「プラスチックごみの問題を考えるフォーラム」を開催したりしていきたいと計画しています。
ただ、助成金頼りなため、今の時点では未定です。
2013年度からロンボク島で活動しているゆいツールですが、様々な助成金に助けられ活動を行っています。
4月から、予算がつくことを切に願っています。(山)
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