11月16日に、インドネシア・ロンボク島のマングローブ植林地バゲッ・クンバールで「観光地の課題解決のためのワークショップ」と「インタープリテーションガイド研修」を実施しました。
今回は、「インタープリテーションガイド研修」について報告します。ワークショップの様子はこちら。
研修動画はこちら(6分半)。
Pada bulan 11, Pelatihan guide mengenai cara interpretasi di hutan mangrove di Bagek Kembar, Lombok Barat, NTB.
(ゆいツールボランティアのコマンとサポートのニタ←右から3番目2番目)
当日午前中雨が降っていたため、スケジュールを変更して先にワークショップを実施しましたが、昼からは天気が回復して無事インタープリテーションガイド研修を実施することができました。
この日、残念だったのは、MC役のティウィが参加できなかったこと。
ティウィの講義の部分で、彼女が10月にオーストラリアで学んできたエコツーリズムの知識を紹介してもらおうと考えていたためです。
さて、昼食後集まった参加者(バゲッ・クンバールの観光チームの仲間たち17名と、ギリ・ランプの住民グループメンバーのふたり)をふたつのグループに分けて、オパンとコマンがそれぞれの参加者をガイドしました。
この日のために、ゆいツールボランティアは何度か練習を重ねました。(2022年12月、2023年7月⇒動画あり)
こちらは、オパンチーム。
バゲッ・クンバールのマングローブ観光のゲート(本来はチケット売り場ですが、機能していません)からスタートです。
(ガイド役のオパン←右端)
ここでは、バゲッ・クンバールという場所の名前の由来、村の名前の由来などを説明します。
一方、もうひとりのガイドのコマンは、育苗場からスタートしました。
(育苗場を背に、右からバゲッ・クンバール観光チームメンバーのフスニさん、コマン、ニタ、ルス)
ここでは、植林用の苗木を住民らが植え付けしています。
(しばらく見ないうちに育苗場が荒れていてどうしたのかと思ったら、土地の使用期間が終了したため、隣の土地に新しく苗木を準備しているということでした)
次にコマンチームもゲートで話をした後、少し進んでインフォメーションセンター(建物だけで、中身は空っぽ)のところで、マングローブについての情報を参加者に伝えました。
インドネシア全体で、331万haのマングローブ林があること、バリ州と西ヌサトゥンガラ州(ロンボク島はここ)・東ヌサトゥンガラ州には34,835haのマングローブ林があるということなど。
(説明するコマン←左端)
次に、地面に空いている穴を指さしてクイズ。
「この穴に住んでいる生きものは次のうちどれ?ヘビ、ネズミ、カニ」
クイズを担当したのは、バゲッ・クンバール観光チームメンバーのフスニさんです。(事前に練習済み)
参加者はこの土地のメンバーがほとんどなので、答えを迷うことはありません。
ただ、今後観光客にこんな風にクイズ形式で生きものについて情報提供をすることもできるよ、という例として学んでもらおうと思いました。
そして、いくつかの看板について説明をした後・・・。
バゲッ・クンバールのマングローブ観光のスローガン「3E:エコロジカル・エデュケーション・エコノミー」について説明しました。
お次は、シルボフィッシャリーについてのクイズと、植林されているマングローブがだいたい何才か、というクイズをフスニさんから。
こちらでは、この地面から突き出している棒のようなものはなにか?というクイズ。
選択肢はこちら。「マングローブの根、マングローブの幹、マングローブの苗」
これは、気根と言って呼吸をするための根となります。
これは、インドネシア名でアピアピ、日本名はヒルギダマシ(Avicennia marina)の根です。
マングローブ植林地を歩いていると、ごみが吹きだまっている場所がありました。
コマンは、プラスチックごみが水辺の生きもののエコシステムに与える影響について、参加者に問いかけました。
最後のクイズの後、コマンはバゲッ・クンバールで行われている伝統的な塩づくりについて、ポスターの前で説明しました。
(ゆいツールが作成したポスターを使って説明するコマン)
ふたつのチームが戻ってきた後、ゆいツール山本とMCのマデから「インタープリテーション」についての簡単な講義を行いました。
(インタープリテーションについて話をするマデとゆいツール山本)
最後に、この日学んだことを何人かの参加者に確認して、終了しました。
(集合写真)
さて、この日午後に行う予定だったワークショップのために、マタラム大学の先生たちが遅れて到着したのですが、天候のせいでワークショップを午前中に実施してしまった旨を伝え、参加者がマングローブ林を案内されている間、先生たちは離れた東屋で食事をしたり話をしたりしていました。
研修が終わった後、ボランティアのニタ(彼女はマタラム大学の学生)から、先生方にワークショップの成果を説明してもらうことにしました。
Guru2 dari Universitas Mataram dishare tentang hasil workshop dari Nita dan pak Komang yang sebagai relawan Yui-Tool.
(ニタと一緒に、先生方へワークショップの成果を説明するコマン←右端)
先生たちのコメントをもらった後、バゲッ・クンバールで先生方が行っている活動の成果のひとつを紹介してもらいました。
それは、バゲッ・クンバールのマングローブの植林状況を表した航空写真(?)です。
(写真を見ている様子)
(ギト先生と話すゆいツール山本)
ゆいツールは現地で出会った人との縁を大切にしています。
この日、声をかけていたギト先生とエニ先生は7月にバゲッ・クンバールで、ボランティアのガイド研修に協力してもらった際に連絡先を聞いていました。
先生方も、バゲッ・クンバールで3年間活動を行っている最中で、2024年には次のようなプログラムを計画しているそうです。
1. バゲッ・クンバールの可能性の普及啓発
2. 高校生を対象としたマングローブ識別の研修と実習
3. 保全およびエコツーリズム教育カリキュラムの開発における教師の支援
1の可能性とは、9種類のマングローブについて、エコツーリズム発展の展望、バードウォッチング・エコツーリズムの可能性(バゲッ・クンバールには58 種の鳥が生息していて、渡り鳥の通過点でもある)だそうです。
ゆいツールとしても、ぜひ一緒に学びながら協力していきたい、と考えています。(山)
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