10月中旬に、ランタン村の若者を連れて、中部ロンボク県コパン地区のスンパル村にあるごみ処分場(TPS 3R)を見学に行きました。
これは、1週間前に中部ロンボク環境局スタッフのプレゼンを受けて企画したものです。
参加したのはランタン村の、オパン、タンティ、リフキ、スルハム、ダナム、ハイカルの6人です。
この施設は2年半前から操業していて、中央政府から直接の支援を受け造られたものだそうです。
住民グループが運営をしています。ごみの回収範囲は、村の中に留まっているようです。(それ以上の処理能力がないため)
ここでは、生ゴミからコンポストを作ったり。(NTBマンディリごみ銀行のアイシャの指導を受けたようです)
プラスチックは分別して粉砕して、廃品業者に売ったり。
段ボールなどの紙ごみ分別してまとめたり。その他のごみは、焼却炉で燃やしたり。
この、焼却炉で燃やす、というのがロンボク島で初めて見たごみ処理の方法でした。
日本人は、インドネシアのごみの山を見ると「なぜ回収して燃やさないのか?」と疑問を持ちますが、ダイオキシンが発生しない焼却炉の建設や維持管理は、発展途上国にとっては途方もなくお金がかかり、現実的ではありません。
今回訪れた施設の焼却炉は、ふたつありました。しかし、一方の焼却炉(写真上、右側の焼却炉)は今は使われていませんでした。
その焼却炉は当初政府の支援で作られましたが、一回壊れるとメンテナンスにお金がかかるのと、定期的に部品を交換しなければいけなくて、その部品がばかばかしく高い(少なくとも住民グループの能力では購入できない金額)ということでした。
それから、煙を水の中を通すのか地面に送り込むのか、ともかく汚染物質を大気中に出さないようにする方法のために、返って焼却炉の後ろ側が真っ黒になったり、周りの農作物が枯れてしまったりしたので、使用を中止して自分たちで隣にお手製の焼却炉を建設したそうです。
お手製なので煙も漏れるし、煙突からは普通に煙も出ますが、管理している人たちは「政府が作ったほうも結局汚染物質は出るし、こっちのほうが体感的に汚染物質は少ないと思う」と話していました。
こちらは裏側。
ランタン村の若者たちも興味深々で、管理している人たちに質問をしました。
いったい、どんな風にすればこのようなごみ処理施設が村に作れるのか、真剣に考えます。
これらは燃やされます。
色々見学して、各自考えたことを話し合います。
この規模の施設を村に作るためには、大きなお金が必要だ、ということ。
でも、ランタン村でやるのであれば、いきなり大きな施設は作らなくても、焼却炉を住民の力で造るとか、それが無理なら村のお金を回してもらうように働きかけて、それ以外のシステムを若者たちの力で作って、小さな規模から始めてみるとか。
もともと、ランタン村はペットボトルやグラスプラスチックの回収はもう1年くらいは続いているし、プラスチック袋を再利用したクラフトづくりも経験済だし、何かお金を稼ごうということではないけど、ソーシャルな活動として若者たちが中心になって、そういう施設を運営出来たらいいなあと思いました。
ゆいツールは、ダイオキシンが出るかもしれない焼却炉の建設費などを支援することはできないけど、その他の簡単な施設建築や道具などを購入するお金を用立てる助成金を日本で申請することはできるかなあと思いました。それから、こういう若者たちの訴えを発表するフォーラムなんかが開けたらいいかも、とも思います。行政担当者を招待して若者たちの意見を聞いてもらって、どうやったら各村でこういう施設が作れるようになるのか、ちゃんと真剣に考えてほしいと思います。
ゆいツールは毎年、何本も企画書(助成金の申請書)を書いて、通るのは1本か2本くらいで、どれくらい彼らの力になれるかわかりませんが、インドネシアの問題を踏まえた上で環境を守るための活動を、末永く続けていくために、企画力を磨いてめげずに申請し続けようと思います。
(山)
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