今回は、6月の活動中にロンボク島の観光地ギリ・トラワンガン島(Giri Trawangan)で目にした、衝撃の光景をご報告したいと思います。
ごみの写真の前に、まず海の写真をどうぞ。
北ロンボクのバンサールの港からパブリックボートで30分くらい海の上を行くと、観光地ギリ・トラワンガン島に到着します。
この島には、2014年1月にもJICA青年海外協力隊員と訪れていました。
その時には、廃品業者を訪ねていろいろなごみが集められ分別されている様子を見学しました。
今回も同じ場所を訪ねようとしたのですが、場所が変わったのかたどり着けず、人に聞いてウロウロとしているうちに、とんでもないところへたどり着きました。
牛がたくさん・・・。放牧地かな・・・どう見ても違うな。心の中でぶつぶつ思いながら、近づいていきました。
牛さん、なにをしているの?
・・・ごみを食べているようです。
もしかして、ほかに食べるものがなくて集まっているのかも。振り向くと・・・。
違いました。草地は十分にあります。牛たちは、自分の意思でごみの山に集まり、ごみを食べていました。
どうしてこんなことに・・・と、日本人なら誰でも思う光景でした。
この島で出たごみを、なにも分別せずぜんぶここに持ってきて捨てているんだと思うと、ごみを食べている牛に申し訳ない気持ちになりました。
そして、この牛はいったい何のために飼われているのか?考えた時に、また愕然としました。
おそらくロンボクのどこかで、この牛の肉が売られているに違いない、と思ったからです。
このごみの山がなぜ放置されているのか。しかも観光地の裏側で。
救いは、一方でごみを回収し、島外へ運び出している人たちがいたことです。
これは、ペットボトルを集めて運んでいる人たちです。もちろん金になるからやっているだけ。島をきれいにしよう、という動機ではなく、金を手に入れよう、という動機だとしても、結果的に島がきれいになるなら大歓迎です。
本当は、プラスチックを粉砕する機械があれば、もっと大量に運び出すことができるのですが、そういう資本を持っている人はまだこの島のごみに目をつけていないようです。
それにしても、まだ使えるガラスビンや日本でなら再利用ができるプラスチック、コンポストにすれば減らせる生ごみなど、本来は捨てるべきものではないものが、大量に積み上げられたごみの山を前に、このごみをなくすまではゆいツールのロンボクでの活動は終わらないだろう、と心の中でつぶやきました。
(山)
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