ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

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ESDスタディーツアーを終えて(3月のツアー参加者の感想)

2019年03月24日 | 6. エコツアー参加者の声

「いろいろな国に行ける日本の学生にとても嫉妬していた」

そう話したロンボク島ランタン村のホストシスター(上の写真手前、右と中央の姉妹)は、自分の村に誇りを持ち、より良くしようと奮闘する強く素敵な女性だった。

本ツアーに参加することになったとき、私は環境問題を学ぶことに意気込んでいた。インドネシアのゴミ問題について、日本のゴミ問題について、排気ガスの環境汚染について…。

ESD」「ゴミ銀行」という名前に捉われて、その小さい枠から何かを得ようと考えを巡らせていた。しかしランタン村でのホームステイを通して、日々の生活の中に学びが溢れていることを実感した。

ホストシスターは村で小中学校の先生をしていた。英語が堪能で、何よりも日本が大好きだった。いつか日本に行きたいとずっと思っていると聞いたとき、私は「ぜひ来て!」と当たり前のように答えたが、実際日本に行くのに、どれだけの資金や周りの協力が必要になるのだろうか。私は冒頭の言葉を聞いて初めて、彼女の本心を知った。

「本当は留学したかったのに」「自分だって時間をかければできるのに」。私も、日本での生活の中で自分にできないことをする人を見ると、そう感じることが多かった。しかしランタン村の若者たちは、自分たちの村の素晴らしさ、自分が今この状況にいることの素晴らしさを知っていた。それは、過去にこの村を訪れた日本の若者たちとの交流の中で、気づいたものだそうだ。だから彼女の日本人への嫉妬心は過去形だった。そのことを知ったとき、自分はなんて恵まれていたのだろうと感じるのと同時に、感謝すべきことをいくつ見落としてきたのだろうと、今までの自分の愚かさを感じた。

ロンボク島で関わった現地の人々は「今」を非常に大切に生きていた。未来の予定は、「今」の状況によって自由に変化する。普段、日本の時間に追われて生活していた私は「今すべきこと」をこなしながらも未来の予定に振り回されていたように感じる。そして、自分一人だけで生きているように錯覚してしまう。しかし「今」を大切していると、今関わっている人や現状のありがたさにしっかり目を向けることができ、自分はたくさんの人々とともに生きていると感じることができるのかもしれない。

ロンボク島での学びは環境問題、食や生活の文化、言語、教育と、多岐にわたった。特に、サスティナブルな教育をはじめたばかりのスンギギ第一小学校の授業カリキュラムには感銘を受けた。これらのたくさんの学びがある中で、「今を大切にすること、今に感謝すること」を学んでからの本ツアーは、私に小さくも数多くの経験を与えてくれた。初めは戸惑った水でのマンディや右手を使っての食事、滝への飛び込みも、今しかできないことだと意識することで挑戦することができた。

4月からは長い学生生活を卒業し、社会に出る。自分にとって節目となるこの時期に、現地の同世代から学んだことはこれからの自分の糧になると確信している。この学びに出会えたこと、今の自分があることに感謝して、社会人を精一杯駆け抜けたいと思う。

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彼女が参加したツアーの様子はこちらから。

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