ここから第四章です。やっと、やっとここまで来ました(ブログアップも遅れ気味。。。苦笑)
前回天竜川や大井川の鉄橋越えを楽しんだイサさん、日記ではそこから一気に東京到着(笑)
『都見物日記』(四)‥‥ ①
五・一(つづき) もはや東京。高輪御殿山の下(シモ)てを通り、品川を片脇に見、よき景の所にて有之(コレアリ)、五十三駅の景色も色々眺め候うち、荒井の今ぎれ入海の所など実に感心也。
いよいよ東京新橋停車場においり(※「降り」の意)、新橋の松元と云う宿屋へつき、此所にてゆるゆるといたし候。私は櫛田の紅葉屋にて四日あとに足の親指 少々けいはき(※この部分 傍点有り)、夫故 痛みはなはだしく、いつもいつも麁匆(ソソウ)々々々々。これは北八の手上(※テウエ)ともいうべく 実に実に大笑い也。 夫(ソレ)が為め両三日(※リョウサンニチ=2、3日)は風呂へもえ入出さず、いがやんばばのちかんちかんちかん (この部分 傍点有り)。ますます色も黒くなり、これはこれは見られたものでなし〳〵〳〵と申し大笑の事也。 早目に私はやすみ候、夕飯も夜入直ぐにたべる也、卅日の夜より一日の夜迄 終日汽車にて随分くたびれ候也
日記にもある通り、さすがに少々お疲れのご様子。それでも笑い飛ばすところは天晴れ
東京編が始まったばかりですが、さて、明日はどちらへ参られますでしょうか?
※「北八の手上」‥‥「てうえ」と読むのも意味も初めて知りました。辞書によると「その術や力などが他より勝れていること。うわて。」と云うことです。
※「北八」は「喜多八」とも書き、弥次郎兵衛とともに「東海道中膝栗毛」の主人公で滑稽な旅をする人物