本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

国家が衰退するときはエリートから・・週刊東洋経済 佐藤優氏連載第175回から

2010-11-29 22:27:10 | 本・雑誌、読書
先週25日辺りから読んでいる佐藤優著「獄中記」をまだ読んでます。
最近読むペースが落ちています。
この本の場合は、馴染みが薄い教養の世界に戸惑っているというのもありますが・・

さて、週刊東洋経済12月4日号に佐藤優氏が連載されている「知の技法 出世の作法」の第175回にエリートについて書かれていました。
もともとこの連載は20代~30代勝ち組を目指す若者向けに書かれているようですので、違和感を持ちつつ読んでいますが・・

今回連載の大見出し「国家が衰退するときはエリートから劣化する」というのはしっくりきました。

佐藤氏は、日本の高校や大学の教育水準はかなり高く、日本のビジネスパーソンも仕事で扱う事項に関する知識と限定つきですが、世界の最高水準に位置していると言います。
それが、日本の社会と国家の強化に結び付かない・・そこにエリート層の劣化にあると述べています。
幕末に日本が列強に植民地化されなかったのは、日本内の対立や抗争を超える「われわれ日本人同胞」という意識が生まれたから・・
しかし、
今の日本の政治エリート(国会議員や官僚)に「われわれ日本人同胞」という意識が希薄になっているように思える・・
偏差値秀才である外交官や検察官などのエリート官僚には、記憶と復元の技能には長けているが、試験で測ることができない、他人の気持ちになって考えることが苦手な「偏僻の人物」が少なからずいる。・・・リスクを負うことを嫌う「薄志弱行」の官僚や政治家も多い。こういうエリートが日本をダメにしているのである。

ほとんど引用してしまっていますが、佐藤氏が書かれていることは、まさにそうだと思います。

日本が駄目になっているのはエリートが悪いから→エリートが少数いても日本は変わらない、やはり現場の人間がしっかりすることが大事→現場ががんばってもやはり稀有なエリートがいなければ国というレベルでは他国に一目置かれる国にはならない・・っというのが、最近日本について考えた自分の変遷&今のところの結論ですが・・

まさしく日本には国益を考えてリスクをとるエリートがいない。
ですよね~
誰でもエリートになれるなら、自分が頑張るよっと言いたいところですが、こればかりは天賦の才、努力、めぐりあわせなどがありますから・・それらに恵まれた人がその使命を果たして欲しいです。

ところで「獄中記」の中でも気になる記述を見つけました。

「・・「まず第一に家庭の安全を気にかける父親」が多くなりすぎた。自己の安楽、家族の利益を超えたところで、日本国家について考える幹部外交官がいないと国家は滅びる。」


外交官でなくとも・・

何がその人をそこまで駆り立てるの?自分の幸せは考えないの?って庶民の常識では理解不能な人が世の中を動かしてきた。

日本人にもまだそんな人が残っている可能性は?
いま同じ時代に生きている人間は気付いていないけれど、ずっと将来歴史を振り返った時、この時代にも歴史を動かしていた偉大な日本人がいたってことないかなあ~ 
う~んそれは誰よ??
・・・やっぱりなさそうですね。
いまからでも出てきて欲しいな!

そうそう佐藤氏の今回の連載は新島襄の著作を薦めています。
詳しくは週刊東洋経済12月4日号の「知の技法 出世の作法」で・・。

コメント
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