夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

放送用カメラ Ikegami HL-79E 調整開始その1

2019-03-31 09:38:33 | Weblog
いよいよ苦心して作った調整用延長基板を使う段階になりました。
その前に一部不具合があったので手直し。絶縁用のアクリル板ですが、幅一杯に切ったため厚さがカメラ側の溝幅と同じになってしまい挿入が渋いので幅方向をカット。
配線の確認もテスターで済ませました。欲をいえばメガーで相互の絶縁もチェックしたいろころですが無い物ねだりです。

調整するためにはカメラ→ベクトルスコープ→波形モニター→ビデオモニターの順でBNCケーブルを繋ぎます。モニターはOUT側の終端をON。ラックの裏にもぐり込んであれをこうしてそれをこうして。
結線が間違っていないか、カメラからカラーバーを出して確認します。

老眼鏡は必須

波形/ベクトルスコープにもっともらしい波形が出ました。ビデオモニターにもカラーバーが左にズレているけど出ました。オシロスコープも準備OK。

いかにもVEの仕事場みたい

ベクトルスコープの状態。カラーバー信号の各ドットが田の字より外ですが傾向は良さそうです。

とんでもない状態ではないので安心

波形モニターは、一応それらしい波形が出ています。

波形に関する参考資料は色々持っています

シンクロスコープ(オシロではありませんでした)は何も繋いでないので横一線。

プローブは無いけどなんとかなるさ

ツマミが壊れたマルチテスターですがなんとか使えます。延長基板は手直し済み。

テスターを直す気力はありません

いよいよ延長基板の出番です。PULSE基板を抜いて延長基板に挿し、カメラ側に挿入。恐る恐るスイッチを入れました。PULSE基板で試したのは画面が左にズレていて予備基板と入れ替えたらほぼ正常になったから。この基板は要調整です。


モニターにカラーバーが、出ました!延長基板は使えます。

ほっと一息

マニュアルを置いて、準備万端。

当分の間ここが居場所

このチャートに従って調整していきます。

足りない物も当然出てきますが

この状態で1時間以上経過、カメラの各基板は若干暖かくなりました。ついでに思いついて撮像管ユニットのプリアンプに触れてみたらBとGは生暖かくなっていますがRは室温程度。R管はもしかするとダメかも。でも予備があるので慌てることはありません。

ついにここまで来ました。ここがスタート、今後マニュアルを見ながらじっくり調整していきます。

午後、時間が取れたので調整開始。マニュアルのフローチャートによるとPOWERユニットの各電圧の確認と調整が最初です。
「あれっ」ここでPhotoshopがフリーズしちゃいました。画像に矢印を重ねただけなのに。強制終了して再起動。使うフォントによってはフリーズするのかな。

これが最初の調整項目

POWERユニット正面に半固定抵抗が5つあります。

255Vラインもあるのですがここでは調整出来ません

電圧は基板(MB)のパターン側で当たります。-61VはPOWERコネクタの33ピンです。

アクリルの絶縁板に小さな穴があります

+9.6Vの調整前の電圧を記録するのを忘れてしまいました。修理後の値は+9.66Vでした。調整後は、

ぴったりです

+6Vは修理後6.03V。調整しましたが

これ以上下がりませんがいいでしょう

-61Vは修理後計りませんでした。半固定抵抗を一杯に上げて

まあいいか

-4.8Vです。これが修理した箇所で電圧が出なかったのが修理後-4.82Vでした。調整して

良好な値です

730Vは740Vとオーバーしていましたが

完璧です

調整可能なのかわかりませんが255Vは

2V位違ってもいいじゃない

+6Vは半固定抵抗を目一杯下げても規定値を超え、-61Vはマックスでも規定値に達しないのは基板の何かが劣化している可能性があると考えています。現状でも値は極端に違わないのでこのまま進めますが気にはなります。

第一段階の調整は終了です。今日はこれにて一件落着。
次はBARレベルの確認(ENC)とBURST,SYNCの位相(PULSE)です。予習しておきましょう。
コメント (4)
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