夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2014年 7月 9日(水)「生産性の向上が実は低下を招いていた」

2014年07月09日 21時48分58秒 | 「政治・経済」
サービス業や飲食業そして建設業などで人手不足が起きているらしい。
もちろん人手不足になれば人を集めるために時間給を上げなければならない。しかし時間給を上げても人が集まらないという。新規開業をしようとしても人が集まらなくて開業できないとも。
このようなニュースが多くのマスコミによって報道されているし、景気が良くなっているからとも時には言われる。
このような現象を見る前にこれまでの賃金や働き方を見るべきではないか?
これらの産業は人手を多く必要とする産業でしょう。このような産業においての生産性を上げることに必要とされたのが賃金額と労働条件でしょう。生産性を上げることを低賃金やきつい仕事をさせることに向けたことが今の矛盾を生むこととなったとみるべきでしょう。
店舗数を伸ばすことが利益拡大につながるわけですが、その店舗数を伸ばすこと自体の中に人手不足は潜在的に蓄積されていたのではないでしょうか?本来ならばもっと店員さんの人数を置かなければならないところを少ない店員さんのきつい仕事で回していた。きつい仕事であるにもかかわらず賃金はピラミッド型の階層化(頂点が正社員)などで低く抑えられていた。一方では店舗数を増やす競争は店舗の過剰を引き起こす。
一時アルバイトの若い人が動画などでネット上に冷凍庫の中で寝転がるなどというものが流れてピラミッド状の階層を置いても労働者の管理が難しくなっていたのではないか。または過労死問題もあった。こういったものが報道されれば個人の責任だけにするわけにはいかずに企業体質と受け取られる。ここに低賃金ときつい仕事の矛盾が噴き出たとみるべきでしょう。その中でバイトなどの正社員化を急ぐ企業も出てきた。
生産性向上といわれ企業の利益拡大のために低賃金と人手不足が潜在化していたことが結局は生産性を落としていたということでしょう。
建設業も同じでしょうし、以前から高齢化も言われていた。ある程度の熟練や資格がないと即戦力にはならない労働力。やはりこの労働力を減らしすぎていたわけです。
日本全体の産業でも同じようなことが噴き出ているのではないでしょうか?
日本企業は賃金をコスト扱いしてきましたし、低賃金労働力を求めて海外に工場などを移転した。国内的にも低賃金ときつい労働を導入することを生産性の向上としてきた。失われた20年とも言われていますが、この20年という時間は新たな労働力が育つ時間です。しかし今では結婚もできないという労働者が増えたりニートといわれる特殊な失業を増やした。それは少子化という形で矛盾が噴き出た。高齢者は邪魔にされてきた。女性労働は出産後のパートに押し込めた。必要な労働力はエリート層だけであとは言うことを聞いていればいいといった中での労働力総体の質の低下。
これらをすべて生産性の向上とみてしまったのである。先にも書いたがこれは生産性の向上なんて呼べるものではなくて逆に社会全体の生産性の下落を招いたのである。
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