先日書いた「本格化する日銀緩和の副作用とアベノミクス」の関連です。
「景気拡大や雇用の増大があるのになぜ物価が上昇しないのか?これを逆に考えれば、インフレとしての物価上昇が起きないという事は景気拡大や雇用の増大の中身の検討が必要という事でしょう。本来は需要の伸びも本格的になりそれに合わせて供給も活発にならなければならない。企業の設備投資が活発になることで日銀が供給する貨幣量が生かされなければならない。これがないのである。という事は景気拡大も雇用の増大も眉唾物だという事です。」
前回はこのように書いていました。
この日銀緩和と物価との関係がもう少し深く分析した記事がありました。
ロイター「物価低迷の謎解きシントラ会合で進むか」
以下、長いですが黒田総裁の会見引用です。
第1は、労働市場のスラック(需給の緩み)の問題。失業率だけでなく、さまざまな指標を見ればスラックは残っているとの見方だ。失業率が低下しても、低賃金の労働者が多いと全体として賃金は上がりにくくなる。
第2は、グローバリゼーション。新興国が台頭して以降、国際的な競争が厳しくなって、安価な労働力や製品が行き来しやすくなった。1国単位の事情ではなく、グローバルな需給ギャップで考える必要がありそうだ。
第3は、技術革新。財とサービス購入のマーケットがネット通販の普及で、全世界につながり、誰でも安価な商品を買いやすくなった。いずれも先進国共通の理由であり、黒田総裁は国際会議で話題になっていると語った。
第4は、賃金の上方硬直性だ。これは他国に比べると、日本の企業対応と労働慣行の特徴と言える。景気が悪い時に大胆な賃下げをしない(賃金の下方硬直性)ため、景気が良い時に賃上げをためらい、一時金での対応をとるというものだ。
「失業率が低下しても、低賃金の労働者が多い」「賃金の上方硬直性だ。これは他国に比べると、日本の企業対応と労働慣行の特徴」やはり日本の政治・経済政策の誤りですね。
しかしこの記事(黒田発言)では「景気が悪い時に大胆な賃下げをしない(賃金の下方硬直性)ため、景気が良い時に賃上げをためらい」とありますが、これは誤りでしょう。バブル崩壊やリーマンショック後に経済の立て直しを労働者の犠牲において行ったのは日本でしょう。このために異次元緩和などという誤った金融政策に堕ちていったのです。失われた10年からアリジゴクのように這い上がれなくなった。労働力はニートアドという改装を産みいまだに失われた10年をひずってそれは派遣という不安定雇用と低賃金を拡大した。日銀が「景気が悪い時に大胆な賃下げをしない(賃金の下方硬直性)ため、景気が良い時に賃上げをためらい」という分析を続けるならば日本経済は立ち直れないでしょう。いつまでたっても出口にも向かえず(ソフトランディングとして)緩和政策は限界と副作用だらけになっていく。
「景気拡大や雇用の増大があるのになぜ物価が上昇しないのか?これを逆に考えれば、インフレとしての物価上昇が起きないという事は景気拡大や雇用の増大の中身の検討が必要という事でしょう。本来は需要の伸びも本格的になりそれに合わせて供給も活発にならなければならない。企業の設備投資が活発になることで日銀が供給する貨幣量が生かされなければならない。これがないのである。という事は景気拡大も雇用の増大も眉唾物だという事です。」
前回はこのように書いていました。
この日銀緩和と物価との関係がもう少し深く分析した記事がありました。
ロイター「物価低迷の謎解きシントラ会合で進むか」
以下、長いですが黒田総裁の会見引用です。
第1は、労働市場のスラック(需給の緩み)の問題。失業率だけでなく、さまざまな指標を見ればスラックは残っているとの見方だ。失業率が低下しても、低賃金の労働者が多いと全体として賃金は上がりにくくなる。
第2は、グローバリゼーション。新興国が台頭して以降、国際的な競争が厳しくなって、安価な労働力や製品が行き来しやすくなった。1国単位の事情ではなく、グローバルな需給ギャップで考える必要がありそうだ。
第3は、技術革新。財とサービス購入のマーケットがネット通販の普及で、全世界につながり、誰でも安価な商品を買いやすくなった。いずれも先進国共通の理由であり、黒田総裁は国際会議で話題になっていると語った。
第4は、賃金の上方硬直性だ。これは他国に比べると、日本の企業対応と労働慣行の特徴と言える。景気が悪い時に大胆な賃下げをしない(賃金の下方硬直性)ため、景気が良い時に賃上げをためらい、一時金での対応をとるというものだ。
「失業率が低下しても、低賃金の労働者が多い」「賃金の上方硬直性だ。これは他国に比べると、日本の企業対応と労働慣行の特徴」やはり日本の政治・経済政策の誤りですね。
しかしこの記事(黒田発言)では「景気が悪い時に大胆な賃下げをしない(賃金の下方硬直性)ため、景気が良い時に賃上げをためらい」とありますが、これは誤りでしょう。バブル崩壊やリーマンショック後に経済の立て直しを労働者の犠牲において行ったのは日本でしょう。このために異次元緩和などという誤った金融政策に堕ちていったのです。失われた10年からアリジゴクのように這い上がれなくなった。労働力はニートアドという改装を産みいまだに失われた10年をひずってそれは派遣という不安定雇用と低賃金を拡大した。日銀が「景気が悪い時に大胆な賃下げをしない(賃金の下方硬直性)ため、景気が良い時に賃上げをためらい」という分析を続けるならば日本経済は立ち直れないでしょう。いつまでたっても出口にも向かえず(ソフトランディングとして)緩和政策は限界と副作用だらけになっていく。