
昨年11月末に徳川ミュージアム中庭で採取したダイオウショウの種から発芽した苗が順調に育っています。尋常葉の長さが200mmから260mmくらいになりました。
松の葉は発芽時に出てくる子葉、続いて出る初生葉、そして私たちが日頃見ている松の葉・尋常葉があります。他にも鱗片葉というのがあって全部で4種類の葉があるそうです。
この度の発芽苗の成長にあわせて1番目の子葉、2番目の初生葉、3番目の尋常葉について順を追って確認してみました。

発芽後1カ月のころです。まだ殻を被っている苗もあります。この時の葉が1番目に出てくる子葉です。双子葉植物の発芽時の双葉に相当するものですね。

殻がとれて1番目の子葉がばらけました。中心の小さい葉が2番目の初生葉です。

発芽後2カ月ころです。2番目の初生葉がだいぶ伸びてきました。この時の初生葉を拡大して見ると、

トゲ状のものが見えます。ネットの説明で、初生葉に鋸歯がある。というのはこのことと思います。

発芽後8カ月頃です。
青色矢印・枯れて茶色になった葉が1番目の子葉です。
紫色矢印・3本束になっているのが3番目の尋常葉です。
その他の緑色の葉が2番目の初生葉です。

発芽後9カ月目の現在のダイオウショウです。気温も上がり尋常葉が伸びました。
茶色に枯れた葉が1番目の子葉です。
手でつかんでいる長い葉が3番目の尋常葉です。長さは200mmを超えて最長は260mmほどです。
短い緑色の葉が2番目の初生葉です。
この時尋常葉をつかんだら、ザラザラとしか感触があったので、拡大して見ましたら、

驚きました。トゲがあります。トゲは上向きです(左側が上・葉の先方向です)。
尋常葉にも鋸歯があったのです。

昨年11月に拾った落ち葉・尋常葉を確認して見ました。葉の表面が凸凹ですが、トゲまでは確認できませんでした。毛のある布地の上に置いたために紛らわしいです。
尋常葉のトゲ状の鋸歯は苗の時だけなのでしょうか。成木の尋常葉にはないのか。
それとも成木になっても若葉の時はトゲ状の鋸歯があるが、のちになくなるのか。
この辺をさらに観察しなければなりません。
ネットの説明では松の初生葉には鋸歯があると説明されていますが、尋常葉では鋸歯についての記述がないので鋸歯はないと思っていました。
また牧野新日本植物図鑑ではゴヨウマツについては、上方の辺にまばらでかすかなきょ歯がある。との記述がありますが、ダイオウマツやその他のアカマツ、クロマツなどには鋸歯の記述があいません。
ということで私にとってはダイオウショウの尋常葉の鋸歯は新発見であります。尋常葉の鋸歯についてご存知のお方がおりましたらぜひお教えをお願いいたします。