左側の大木がダイオウショウ。右側がテーダマツです。樹齢は約70年。日本の松より成長が早く高木になります。
この2本の松の木は昭和26年のサンフランシスコ平和条約調印式に参加された、全権委員の一人であった水戸徳川家第12代当主・徳川篤敬の次男・徳川 宗敬氏が記念に持ち帰られたものです。
徳川ミュージアムのブログ参照 https://ameblo.jp/tokugawamuseum/entry-11539678677.html
かなり長い梯子なのですが、テーダマツの下のほうの枝にやっと届きました。左側のダイオウショウはさらに高いために球果を採取するのは無理でした。
採取したテーダマツの球果です。ちょっと若すぎでしょうかね。
森林総合研究所にテーダマツの球果の熟す時期を問い合わせたところ、
・テーダマツの採取適期(松かさを採取して種子を取り出す時期)
米国の文献情報をみますと、テーダマツの種子は10月中旬頃から11月に散布さ
れるとのことです(地域によって異なります)。種子採取の時期は、球果が開き
始めた頃に採取するとのことです。
ということでした。
このことをもとに、マツなど種々の種蒔き経験の豊かな方に採取時期を検討いただいたところ、8月末くらいがよいとのことでしたので、この採取となったわけです。
松の落ち葉を拾っていたら、驚きました。4本が束生したものがありました。ダイオウショウとテーダマツは3本束生のはずです。そこで、もうちょっと落ち葉を拾って確かめました。
けっこう4本束生が見つかりました。
A4用紙の上に並べました。用紙は長辺が約300mmです。
長い葉は約300mmあります。これはダイオウショウでしょう。
短い葉は約200mmです。これはテーダマツでしょう。
それから中間の長さ約250mmもありました。直感はテーダマツと思いました。
ということは、ダイオウショウもテーダマツも基本は3本束生ですが、どちらも例外的に4本束生があるということですね。新発見です。
テーダマツの葉を切断してみました。3本合わせると円形になります。1本では扇形で角度は120度です。
アカマツやクロマツも2本を合わせると円形になるそうです。ということは1本では断面が半円形・180度ですね。五葉松ではきっと72度です。
テーダマツの葉の表面はざらついています。先にダイオウショウの苗の葉を見ましたらトゲ状の突起が並んでいました。どちらも葉(尋常葉)には鋸歯があるということでしょう。
22日に採取したテーダマツの球果は天日乾燥して開いたら種子を採取して専門家の盆栽屋さんに蒔いていただく予定です。
採取した球果が若すぎるようにも思えたので、ネットで球果の熟す時期を調べましたら、
Wikipediaには春と説明されていました(下の引用文)。前述の秋とは違うのが気になります。仮に春なら、球果はまだ未熟で、種を蒔いても発芽しないのではないでしょうか。ちょっと不安になりました。
Wikipediaのテーダマツの項から
蕾の形成は6月中旬から7月上旬に行われる。雄花は7月下旬につぼみの中に、雌花は8月に形成されるが、秋に芽の根元に雄花が、少し遅れて芽の頂点に雌花が作られるまで区別できない。雄花雌花ともに翌年の春まで休眠状態で過ごす。花粉を飛ばすピークは2月1日以後の積算温度350℃、日平均気温13℃を超えたときであり、地域により違いがあるが2月中旬から4月中旬である。開花はその地域の緯度にも関係しており、低緯度の地域では高緯度の地域よりも早い。1本の木で見た場合には雄花は雌花よりも早く成熟する傾向があり、これは自家受粉を防ぐためと見られる。受精した雌花は翌年の春に球果を熟す。球果は乾燥によって開閉を繰り返し種子を散布する。
ダイオウショウについては準備した梯子では枝まで到達できないので、球果の採取は断念しました。その代わり、昨年11月にこの庭で拾った種を発芽させたものが1鉢に4本ありますので、これを後継樹にすることとしました。