マチンガのノート

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フューチャー・ウォー:ロバート・H・ラティフ/著

2019-02-18 14:16:44 | 日記

 

今日まで、様々な軍事技術が考案され、実用化されているが、

実際にそれらのものが使われると、どのような影響を戦争や兵士、

社会や民間人に与えるのかは前もっては判りにくい。

核技術の開発が、米ソの巨大な軍拡競争に繋がったという歴史があり、

さらに米軍は湾岸戦争ではハイテク爆弾などでイラク軍に圧勝し、イラク戦争では

ふたたび簡単に勝利して、イラクを占領できたが、その後の方が大変だった。

簡単な携帯電話を使ったIED(即席爆弾)による攻撃ですらそうなのだから、

ハイテク化、電子化、ネットワーク化されたものが、どのような影響があり、

その責任を誰が取るのか、また、取りうるのか、という考察がメインとして書かれている。

また、売り込みをするほうも、長所を強調して売り込むが、その後の事に関しては、

予想できるとは限らない。

さらに、志願兵で米軍が構成される様になり、政治家も国民も軍隊や軍人の事に

関心が無く、知識や理解力もないとの事である。

軍事技術に関する書籍かと思って読んだが、倫理や責任に関する考察が多かった。

映画「大いなる陰謀」(ロバート・レッドフォード監督2007年)を思い出した。

「フューチャー・ウォー」ロバート・H・ラティフ 訳:平賀秀明 解説:小泉悠 新潮社