マチンガのノート

読書、映画の感想など  

近代と勤勉について

2016-09-16 22:27:57 | 日記
近代化は、ピューリタニズムなどからの勤勉性や計画性などから
できたものという見方は多い。
植民地などの奴隷制度や収奪を考えずにイギリス国内でのそれらのことが
主に挙げられることが多いので、勤勉=正しい、そうでないものは
正しくないものということで、植民地だった途上国などを怠けているから
発展しない、劣っているという見方はいまもあると思う。
そのことを日本も追いかけてきたからこそ、今回の事件に
有効な言論が展開されないのではないのだろうか?
ヨーロッパでは宗教や神などが担っていた所が、日本の場合、
空白なのではないのだろうか?

「THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本」ブレイディみかこ著 中流意識に逃げる日本人

2016-09-05 21:44:29 | 日記
イギリスの場合、子供が朝食を食べることができない家庭も多いほど、
格差が広がっているとのこと。
イギリスの労働者階級やさらにその下のアンダークラスは自らを下層と認識し、
そこからデモや抗議活動をしているとのこと。
日本の場合のデモは安保法案反対などが中心で、参加者も豊かで暇な高齢者が中心で、
再分配や格差に関するものは少ない。
イギリスではすでに、社会の下対上の対立であるが、労働党はそれに遅れていて
支持を減らしてきたとのことだ。

日本ではいまだに、資産も地位もない人たちが「自分は中流」と思っているため、
格差や貧困などに対するデモなどの抗議活動が広まっていない。
景気のいいときは建設作業員や原発作業員を使い捨てにして
釜ヶ崎や山谷に住んでいる人たちを、自分たちとは違う人種かのように扱い、
左翼もメディアもあまりかかわらず、そのようなことを続けてきた。
どちらも米国の人種差別、過去の奴隷制度は非難するが、自国の似たような構造には
無関心である。そこからは何の普遍性のある事は産まれてこないだろう。
そのようなこともあるので、もともと貧しい人は自分たちと違う人たちで、
自分は正期雇用されるなどで、また本来のところへ戻れる、
と考える人が多いのだろう。
日本人の場合、奨学金の借金が有って非正規雇用でも、
資産も財産も無くても、未だに9割位が中流意識を持っているらしいが、
そこから見直さないと、何も変えられないのではないのだろうか?