パジコの軽量粘土ハーティクレイ・ホワイトで制作
何気なく図書館で見つけて読んでみましたが、著者が療育関係者から勧められて行った、
自閉症の子供への対応が、こちらがこれまでに読んだ様々な臨床心理や哲学の本に
書かれていた事と合っているか、それよりも進化していることが意外でした。
言葉が未成立な自閉的傾向の子供が親の手を取り、クレーン現象をする際に、
相手の欲していることを親が言語化して対応するなどは、こちらが知っていた事よりも
発達している内容でした。
療育関係者が、いろいろな所で研修を受けたことが大きく影響しているのでしょう。
自閉症児が言語を身に着けておらず、言語を基に成り立っている人間の世界に
入ってこれていないという事を、療育関係者も知っているというのが予想外でした。
自己と周囲が未分化であるとか、主体が未生成という深い知識が無くても
かなり有効に対応できるという事が例示されている一冊でした。
「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌さんが監督しました。
あらすじ
15年前のある夜に家族に暴力をふるう夫を車で撥ねて殺害したこはる(田中裕子)が
帰ってきて再会します。
地元の工事関係で働く長男・大樹(鈴木亮平)、東京でライターをする次男・雄二(佐藤健)、
美容師になるのをあきらめて地元のスナック勤めの長女・園子(松岡茉優)。
こはるは夫を殺害後、子供たちにこれからは自由に生きれる、と言って自首しに行きますが、
長男は妻(MEGUMI)に母親の犯罪の事を話せず、次男は自由になるどころか肩身の狭い思いをした、
として複雑な思いを持っています。
感想
これまであまり田中裕子さんを映画で見ていませんでしたが、とても印象に残る演技でした。
夫を自分の運転するタクシーで撥ねて殺害後に、子供たちの所に戻り、おにぎりを与え、
警察に出頭するという出だしから、刑務所を出所して各地で働いたのちに戻ってきた後の
振舞いまで、とても印象に残る映画でした。
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