最初にロッカーキーを渡してくれたおばさんに声を掛けられ、大浴場の一番奥の囲み部屋みたいなところに連れて行かれた。入り口から中を覗いたら、ビニール張りの例の診察台が2台置いてあった。
これを見てようやくあきらめがついた。垢すりに優雅な垢すりはない、ということが苦節5年ようやく分かった。追い求めていたものはなかったと言うことが分かったら、何だかすっきり晴れ晴れ。もう矢でも鉄砲でもかかってこいって感じ。
ところでどうして垢すりのおばさんは黒の下着を着ているのか、常に疑問に思っていたのだが、これは戦闘服なんだなと思った。垢すりは重労働、一日に何人ものお客さんを相手にするためには、気持ちを戦闘モードに切り替える必要があるに違いない。これがピンクの下着だったらやる気でないよね。やっぱり色の効果って重要なんだなと改めて感じたのでした。
垢すりでピカピカになったお肌に、全身オイルマッサージで身も心もトロトロ。マッサージが終わっても脳からの指令が思うように手足に伝わらない。フラフラしながら更衣室に戻り、いつもの倍以上時間をかけて服を着て、あっちこっちにぶつかりながら、エレベーターに乗って部屋まで戻り、そのままベットに倒れこんだ。
あー、幸せ!!!