「観世九こう会百周年記念特別公演」 に行ってきました。
「どうだった?」と感想を聞かれると、これが答えづらくて難しい。
歌舞伎のように、「海老蔵、超カッコよかった~」、というミーハーな答えができるといいのだが、何せ、今回のメインの演題、「関寺小町」のシテは100歳の老女になった小野小町。お面の上に頬かむりをして、腰が曲がった状態で、杖をつきながら、よろよろと舞を舞う場面がクライマックスシーンなのです。この世界観から、能の芸術性について、アカデミックな批評ができると、「おっ、なかなか出来るな」と、皆様に見直してもらえるのですが、私の場合出直してきた方が良さそうです(笑)
今回は、お芝居そのものより、お茶の先生のご主人の笛の演奏を聴きに行きました。「関寺小町」というのは、大変難しい演目で、一生に一度できるかどうかの演目らしいです。最初で最後の命がけの演奏は、それはそれは素晴らしかったです。とにかく笛を吹いている時間が長い。同じフレーズの繰り返しなのですが、微妙に音程が違ったり、微妙に音量が違ったり、それにしてもきっと水泳選手並みの肺活量であることは間違いないですよね。プロというのは、間違えることもないし、むせ返すこともないし、プロの技、本物の笛の音色をしっかりと堪能させていただきました。
ところで、日曜日はお天気が良かったので、紬の着物を着て行きました。実はこれ、20代後半頃に作った着物。箪笥のこやしから、十数年ぶりに日の目をみました。