数週間前になるのですが、ロバートキヨサキの講演会に行ってきました。
ロバートキヨサキと言えば、「金持ち父さん貧乏父さん」で一大ブームを作った人。10年以上も前に出版されたこの本は、いまだに読み続けられ、それどころかファンを増やし続け、この講演会は何と4000人の人が集まっていました。すごい!どんな人が集まってくるのだろうと興味深々だったのですが、会場に集まった4000人は老若男女問わず、年齢もさまざま。学生風情の人から、おばさまの集団や、自営業者風の人まで、その裾野の広がりに驚きました。
ところでロバートキヨサキ氏。確かにその存在感から発するオーラは強烈で、ただものじゃない感を感じましたが、そのオーラを増幅させているのが、彼が連れてきたキヨサキ軍団の面々。石原軍団も真っ青な個性の強さで、ずらりと並んだそのメンバーの後ろから西部警察のテーマ曲が流れてきたのは私だけ(笑)?キヨサキ氏の奥さんのキムさんが紅一点で花を添えており、素人投資家としての傍若無人ぶりを発揮しながらも、強面の軍団の面々の発言に、「ちょっと私からも言わせてもらっていいかしら」と堂々と切り込んでくるあたりは、影の実権者の存在感を色濃く感じました(笑)
ところで「金持ち父さん貧乏父さん」といえば、4つのクオドラントとキャッシュフローの考え方が有名ですが、キヨサキ氏直筆のフリップチャートはこれです。これはかなり価値があるかもね。
キヨサキ氏流の投資の考え方を直接聞くことができたのはもちろん有益だったのですが、それよりも軍団メンバーの一人である、リチャード・ダンカン氏の世界経済の話は興味深かったです。聞けば聞くほど、空恐ろしい話で、こんな危うい綱渡りをしているのかと思うと、ぞっとしてきました。
真偽のほどはさておき、リチャード・ダンカン氏が語る世界大恐慌のシナリオはこれだ!
1.アメリカは1971年に金本位体制が終わり、紙幣経済に移行し、それから40年間どんどん借金を作って、紙幣を刷って、その紙幣を使って生活を続けていたが、積み重ねた借金が返せない。
ビジネスが増えると負債も増える→税金を払う(税収入が増える)→政府がお金を使う→資産価値が高くなる→
信用が拡大する→資産価値が高くなりすぎてバブルがはじける→信用は高止まりで終わらない
→全部下降していく→New Depression が始まる
2.今の経済は需要と供給のバランスで成り立っているのではなく、政府が信用を注入して、崩壊しないように何とか支えている。資本主義経済ではなくなっている。支えているのは政府で、各国の政府が量的緩和が行い崩壊しないように必死に支えている。ずっと政府が支え続けることはできないが、次の5年ぐらい、もしくは10年続くかもしれないが、10年の間に基本的な経済の基盤が作られないと、本当の意味での崩壊につながる。
3.世界の経済がこれだけ拡大したのは、ビジネス→投資→利益を貯めるということを繰り返したから。今までの資本主義発展のプロセスは変わり、投資→利益 ではなく、消費→信用に変わった。
4.中国はリーダーにはなれない。中国は国内での消費の拡大に期待しているが、それでも40%はアメリカへの輸出に依存しているので、アメリカの信用の下落に伴って、中国でバブルがはじける。過去に日本が経済大国になると思われていたが、日本はバブルがはじけて経済大国にならなかった。中国でも同じことが起こる。
5.ヨーロッパも苦しんでいる。ドイツは貿易黒字で得たお金を、ギリシャやアイルランドに注入し、信用が膨らみすぎてそれらの国は返済できなくなった。ギリシャの危機は、北欧も影響を受ける。一つでもヨーロッパの銀行が破たんするとデリバティブで繋がっているので、ヨーロッパのすべての銀行が影響を受けて、アメリカも影響を受ける。
そして世界大不況の始まり始まり~
どうですか?怖いでしょ~。
投資の世界では楽観的に考えるのではなく、常に最悪の状況を想定するのが常套なのですが、10年後どうなっているのでしょうか?
ロバート氏はこの将来を見据えて、紙の資産からコモディティーにどんどん変えているとのこと。彼の一番のお気に入り投資先は「オイル」。アメリカで油田を掘り当てて油田開発を行い、さらにはメキシコからカナダまで将来通じるハイウェイ沿いの砂漠を買占め、リゾート開発を行っているとのこと。
このスケールが大きさには目がテン。すごい。
個人が何か考えてできるレベルの話ではないのですが、鳥の目で世界を見る感覚は必要ですよね。勉強になりました!