今朝、買い物からの帰り道。
向うから文庫本読みながら歩いてくる男性に遭遇。
すごいわ、歩きながら読書。よくできるなあと振り返って確認よ。
で、この夏、なぜか近頃になく本読みが進む。どれもみなかるい本だからか寝っころがって1日に1冊くらい読んでしまう。
今は杉本章子さんの信太郎人情始末帖シリーズにはまって。
それはさておいて。いろいろな意味でひとこと言いたい本。
伊勢佐木町で見つけて東京駅で購入なんて、有隣堂さんに申し訳ない気分。
例の腹痛押さえて一刻も早くだから自分で探す気なんてさらさらない。丸善店員さんに
「どこにありますか?」と尋ねるや否や、迷うことなく連れて行かれる爽快感。さすが。
小林聡美さんの対談相手が贔屓の加瀬さん井上さんもたいさんときて、お散歩場所が浜離宮からの水上バスや芝公園増上寺東京タワーなどなどとくれば、ハードカバー購入ときっぱり縁を切った私としてもついつい手が出たというわけ。
森下圭子(フィンランド在住コーディネーター)
石田ゆり子(女優)
井上陽水(シンガーソングライター)
加瀬亮(俳優)
飯島奈美(フードスタイリスト)
もたいまさこ(女優)
柳家小三治(噺家)
が。
お散歩しながらのゆるゆる対談を、紙面で読んでお二方の醸し出す空気を感じることはいささか自分にとっては無理でして。
ここは、映像でぞんぶん楽しみたかったわ。
娘が来たとき「読む?」と聞いたので、「読む!」ってすぐに読んだけれど。
やっぱり。ダメ。
反発心がむくむく起きるのみ。
林さんのいう野心がそもそも自分と違うからさ、分からん。
アグネス論争でよく中野翠さんとタッグを組んだな、と今やお二人の路線の違いにびっくり。
じゃあ、読まなきゃいいじゃないって。その通りなんだけれど。
そこが微妙。
林さん、有言実行だからムカムカしながらもついつい読んでしまう。なんだろね。
南木佳士さん。
私は、医師であり作家でもあるこの方をどう言ったらいいかわからないが・・・とても信頼している。
肺専門の内科医になって肺がんの死亡診断書を数百例(確か300ぐらいかしら)書いたあたりから、平成2年パニック障害になってしまった、というその一点に置いて。そのことをエッセイで繰り返し書いている。
かねがね、たとえばホスピス病棟とかの医療従事者の方たちは死を日常に感じているであろうから、その方たちはご自分の精神をどのように保っているのだろうか知りたかった。
自分はとても耐えられないことが分かっていたから、南木さんがパニック障害になることがすごくよく理解できて・・・そうだろうと勝手に共感してた。
その南木さんとふつうの(南木さんいうところ)医師5人との対談。
海外医療に飛び回っていたり、地域医療を中心に活動している方だったり、文学も目指している研修医だったりと、年齢も経験も様々な医師との対談はどれも興味深かった。
南木さんがパニック障害と分かり、やや落ち着いたときというから、結構古い時期1997年の対談だが、共通して、医師は技術や速さで競うべきではないと、治る患者さんは自分で治っていく(ような意味)と、おっしゃっていることにすごく納得してしまった。
これからも南木さんの本は折々読見たくなること間違いない。