まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

「生きてくれているだけで」

2017-11-30 08:56:32 | くらし

バス停でエンドーサンに会った。10月頃の話。
めずらしくバス待つ人は二人だけ。思い切って「奥様の具合はいかがですか?」と聞いた。

いやそれまでも、何度もエンドーサンとはばったり会って挨拶交わしたり二言三言話したりはしていた。
地区班の飲み会で一緒する夫からは、奥様が再入院しているとも聞いていた。だけど・・・
気軽にそのことは聞けない雰囲気を感じて、なるべくその話は避けていた。

「今横浜の方の病院に入院しているんだけどね。再発はだめだね」っておっしゃる。

病名は分からない、けれど数年前退院して一生懸命リハビリに励んでいる姿を何度も見かけ、
会うたびに世間話に興じていたのよ、ごく普通に。ますますよくなるものだとばかり思っていた。
オーストラリアに住む娘さんの結婚式に出かけ、嬉しそうにお孫さんと九州1周する話もしていた。
何事にも前向きな姿勢に私の方がいつも励まされていたのに。

いつからまた悪くなったのだろう、分からない。
「もう気力がなくなってね、口を開けるのもつらいらしいし、話したがらないね。
そのうち僕の顔も分からなくなるよ。孫が行くと喜ぶんだから」

エンドーサンが奥様の介護を始めてからもう8年になるとおっしゃる、私が佐渡通いをしているときが
最初の発病だった、ツレが鬱にはなりませんよ(「ツレがうつになりまして」の本ががよく売れていた時期)
なんて言ってて。
それからというもの背中にリュック背負って、自転車で買い物している姿をよく見かけた。



バスの座席に座っても話し続けて。
降りてから別れるとき、「生きてくれてるだけでいいですよ」と。

会うときは会う。
2,3日後もリュック背負ったエンドーサンは背中を指さして、
「洗濯物を届けに行って来るところ」と明るく笑ってらした。
もう80に近いお年だと思う、なかなかできることではない。これからもエンドーサンの病院通いは続く。

コメント
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