まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

残された者は

2023-08-15 08:39:17 | くらし

不安定な天気。
先ほど激しく降った雨で心持ち蒸し暑さは遠のいた気がするけれど、ん?やっぱりそんなことないか。
佐渡の実家は海に面しているから、海風が吹いてくれば同じ29℃でもずいぶん過ごしやすい。
湿度が40%台というのも不快な暑さにはならない。日陰に入れば「ああ涼しい」ってな感じよ。

佐渡での話。
荷物を出そうと自転車の荷台に括り付けて、すぐ並びのTさんの家の前を通りかかったら、
玄関戸を開けたTさんとばったり。あらあ、お久しぶり、と。「帰ってきたのんか」と言われて。
玄関前で立ち話。背中から朝日がじりじり照り付ける中で立ち話。
Tさんは数年前に奥さんを亡くされて(ご本人も5年か6年前かなんて)一人暮らし。私より1歳下。

「残されたもんは損だっちゃな、先逝ったもんは得だよ」と繰り返して嘆く。
「俺は引きこもりだよ。人と会うのも話をするのも嫌だ。会いとうないし、話すのも面倒だ」って。
たまたま私と出くわしたばかりに、話す羽目になってしまったけど、ですって。
誰かに会うと「元気だか」とか「もっと外に出てこい」だのあれこれ言われるからめんどくさい。
「外へ出るのは夜中にもやっとるドラッグストアだけだが」って。
昼間は家に引きこもっているんですって。なにしろ回覧板見て字を読むのも嫌だってんだからね。

でも玄関先に立っている姿は、長靴履いてつるはしを持っているからからかうと、
「俺の集落では盆が終わると供えた物を船に積んで沖に流すから、川にたまっとる泥を掘らんならんし、
これから行ってくるんだ」
と言うから、世間との関わりを全く断っているわけでもなくてちょいと安心する。
「俺は、母さんにうちのことはみんな任せて何にもしんかったから、今みんな引きかぶってるが。
夕飯食べた後、うちのがすぐ洗い物をしていたから、後ですればいいねかと言うとったけど、
ひとりになってみて分かったっちゃ。他に誰もやらせんから俺がするしかないもんな」

ま、身内の話をあれこれたっぷりして、最後に、
「人生終わりがようなきゃ、いっくら真ん中が華やかでもみじめなもんだ」だなんてことを言う。
ん、まあその通りかと思うけれど。でも自分で「俺は長生きしそうだ」と豪語しているからいいか。

 

もうお一方、5月に奥さんを亡くしたかばん屋さんは、この約3か月の間に2回も入院している。
そのたびに、首都圏に住んでいる娘さんが呼び出される。娘さんだってお勤めの身だ。
娘さんは「おとなしくしててほしい」と嘆くから不謹慎ながら笑ってしまう。全くその通りよね。
気性も何もかも知っているかばん屋さんの方が先行き心配だ。
マサチャンママの家に行くと、いろいろな家族の縮図が見えてきて考えてしまう。

 

紹介しなかった写真


夕暮れの加茂湖


タソガレ場所 朝


夕方


一軒だけ残っている銭湯

加茂湖 朝

 

コメント
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