都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

三条通で遊んでみよし:孫を遊ばせ、学生と歓談

2023-11-05 02:12:28 | 都市経営

 三条通のなか、10月21日、22日に東洞院~烏丸(飲食)、富小路~柳馬場(子供の遊び)を歩行者空間にしていた。( http://blog.sanjyo-kyo.jp/ )

10時ごろから2時間程ぶらぶら、孫はYMCA前の道路お絵かき、シャボン玉、マーカーお絵かきに夢中。

 パネル設営中の中央復建の役員の方と名刺交換をする。

 学生のスタッフにも色々お話して面白かった。桂川の筏、明治の高水工法への転換、都市経済、オフィス・クラスター、三条通の歴史、戦争中の防火帯としての御池通拡幅、神事と民衆の山鉾の祇園祭と八坂神社・日吉大社・比叡山延暦寺の関係など話す。3名は

京都工繊:桂川の運輸の歴史

京大:景観関連 Y研

立命館:女性

 とのこと。

 

 こういう、イヴェントは楽しめる

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MITが恵比寿でグローバル・スタートアップ・キャンパスに参加という

2023-05-29 02:57:41 | 都市経営

G7広島での日米首脳会談にて( https://news.yahoo.co.jp/articles/c60da0cc440afc1992d4c61d92f706817f670264 )との発表があった。

 MITはいまや近くのオフィス・パーク(前は倉庫・工場跡地)のBio Genなどとゲノム研究(医療はHarvard Medicalと分担)で伸長している。歴史を探ると、インターネット(Darpaとのつながり)、メディア・ラボ、そしてゲノムの世代は10数年で交代している。

 東京の恵比寿が都心というかどうかは別にして、どこと共同研究なのか訝る。日本でAIなどに関連するならゲーム産業やボーカロイド(初音ミクなど)位だろうか。Sloanでの経験から考えると:

 ケンブリッジは関連産業の集積が隣地にあること、世界からの優秀人材が豊富なこと、MIT内に不動産学部がありキャンパス開発を兼ねていること、実業のレクチャラーやボストンの投資顧問とのつながりにより実学や起業の下地のあることが立地のメリット(大学とリエゾン産業クラスター)だ。

 果たして、恵比寿で東大あたりと協業を図るのだろうが、分野を特定しないと総花的になる。ゲノム関連企業なら日本の製薬の参加も不可欠だが、それなら日本橋近くの方が良い。

 かつて、名古屋市はボストン美術館の膨大な保管美術品の展示活用をもくろんで、名古屋ボストン美術館( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8 )を作ったが契約など問題があり閉館に至った。

 MITのメリットはなにか。アメリカの大学・大学院の授業料などのコストは数千万円に及ぶ。儲かる職業や仕事を狙っている。ビジネス機会がないと良い人材は我が国に来ないと思われる。昔ならトヨタのカンバン方式の研究をしたCusumano( https://en.wikipedia.org/wiki/Michael_A._Cusumano )は今も日本の大学との関係がある。

 さらに、東京でも渋谷や赤坂など、ITC系や外資系が多いクラスターなら集客もあろうが、MITはNerd(オタクというより工学でのいたずら)の誇りがある。( http://www.mit.edu/people/dmredish/wwwMLRF/links/Humor/MIT_Nerd_Test.html )MIT内での数々のいたずらも。( https://en.wikipedia.org/wiki/Hacks_at_the_Massachusetts_Institute_of_Technology )  

恵比寿の駅からの通行ブリッジにSmoot( https://en.wikipedia.org/wiki/Smoot )でも作ると良いかも知れない。

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黄砂に負ける、博打も来る

2023-04-23 02:48:41 | 都市経営

 黄砂襲来、中国からの要らない贈り物

 眼が痛い、洟が出て喉が痛む。部屋の空気清浄機は感知するとフル作動。

 どうにかしてくれ。

 

 かたや、浪花の博打IRが承認になるらしい。博打場は今や世界的にもうからないのはトランプ・カジノ( https://www.afpbb.com/articles/-/3332285 )の例を見ても明らか。更にネット・カジノが今やこっそり普及している(山口県阿武町の誤送金事件:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230228/k10013994001000.html ) 。アマゾンに対抗する、デパートの建設のように思える。

 しかも、1兆1千億円のうち開発会社は4,300億円の負担、1,000億円は企業出資、あと5,500億円は銀行借入という。今なら金利も上がるだろうに。( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2127M0R21C21A2000000/ )

 また、博打が流行ると、お金を「する」人間が増える。遊びの4象限( https://www.cultibase.jp/articles/3591 )で考えよう。他の遊びもある。

 賭けより、投機、投資が儲かるのは明らか。投資もゲームとしては面白い。

 梅田から10kmの距離は、東京駅から羽田空港の距離だ。島の中だけで国際会議など行っても、配偶者の観光(Spouse Program:招待者会議中の都市観光)に難がある。都市間比較では京都なら、祇園や東山、嵐山の体験観光や世界遺産にも事欠かない。都市エリア内比較でも東京なら羽田で国際会議より、有楽町の方が好まれるのと同じだ。大阪でも中ノ島に会議場はある。

 大阪市は、港湾局、交通局などが、南港のコスモスクエア周辺の博物館(廃館や売却)やWTC、ATC、土地信託の損切など「負の遺産」が未だにある。この1兆円の投資および大阪市の整備費(700億円と言われる)などもリスク管理が必要だ。

 中ノ島の再開発(ロイヤル・ホテルの再開発や開発用地)の都心開発が先行すべきと思う。観光でミナミ(心斎橋・難波・天王寺)が活性化する。離れ小島開発では開発の波及効果がない。

 こういう、襲来はやめてほしい

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自転車は京都の敵か:歩行者と自転車の事故が多いなら自転車道の整備を

2022-12-03 02:31:17 | 都市経営

 烏丸通の御所の西側は市道と御所(国有地)の間の歩道が狭い。そこで歩道を自転車禁止の社会実験が行われる。

 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/921450 

 確かに狭いが、車道の路肩が狭く、L字側溝とアスファルトの継目や排水溝のグレーチングなどあり走る障害だ。

 自転車道、または自転車ゾーンの整備が急務だ。烏丸は御池から丸太町まで、また府警の東側には青く塗った「自転車専用」の路側帯があるが、路上駐停車の車と荷捌き利用が多く、実際には「自転車での追越冒険」の普通の路側帯になっている。

 また、四条、河原町とアーケードの寺町・新京極・三条(東側)・錦の商店街は通行禁止だ。 

 https://ja.kyoto.travel/bicycle/rule/

 これは、歩行者からの売上増加を狙ったのか、三条など道の中にベンチも置いているのに自転車は排除だ。

 そのため、田の字地区の北東エリアなら南北・東西の動線は御幸町から東洞院や姉小路から蛸薬師の一方通行を自転車で走るが、ここも駐停車の自動車(業務用、ごみ回収、タクシー)が多く、それを追い越す自動車が危険だ。業務車両で20km/h規制だが、速度も速く、譲る気がない。また、歩行者(観光客は特に動きが読めない)やベビー・バギーも通行しているが幅員は7~8m程しかない。

 京都都心での自転車の通行ゾーンと通行禁止道路の見直しが必要だ。それでないと単なる「自転車いじめ」であり、自転車重視のオランダやデンマークにSDGsの観点からも遅れを取る。京都議定書の環境問題にも逆行している。

 特に、路側帯では歩道の横に「自転車専用帯」を設けるなど、道路構造令の特例など対応とし、駐停車は車道側(車線幅を狭めるか、車線数を減らす)対応などが望まれる。この場合、自転車と車の間には仕切りの区画が欲しい。

 あわせて、何度も書くが20 km/h規制のエリアには始点と交差点にハンプやバンプの障害設置が必要だ。

 色で塗るだけの「やったふり」で「管理・規制」がないのは「効果」もない

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ウォーカブルシティ入門 10のステップでつくる歩きたくなるまちなか(ジェフ・スペック):小規模複合街区・使いやすい公共機関、自転車道の整備、街並みと街路樹整備が要点

2022-11-29 02:12:59 | 都市経営

 アメリカでは歩きやすい都市を評価するWalk Score( https://www.walkscore.com/cities-and-neighborhoods/ )があると知った。スプロールの郊外居住から、歩いて便利な都心居住回帰は世界的傾向だ。あわせて、車離れがある。本著は、データと提言がまとめられ知見に富む。ボストン北部の水力紡績発祥の地、Lowell( https://en.wikipedia.org/wiki/Lowell,_Massachusetts )が出てくるのが懐かしい。National Park Service( https://en.wikipedia.org/wiki/National_Park_Service )が産業遺産として、早くから保全している。89年に秋の最終運河ツアー(冬季は休み)に参加したのを覚えている。

 

・ウォーカビリティの一般理論:利便性、安全、快適、楽しい

・歩きたくなる都心部は運転しやすい郊外に比べ、NYでは3倍の住宅価格になる、オフィスの稼働率も安定

・ポートランドは道幅を狭くし、マストラ(公共交通機関)と自転車道に投資し独自の成長

・車通勤は23分が収入▲19%の相当にあたる「幸福感を減らす最も嫌いなこと」。「人と親密な付き合い」、「仕事後の付き合い」が最も好きなこと、パットナムは10分通勤時間が増えると、地域社会の関与(Social Capital)が10%減るとの試算も→本当か?

 

ウォーカビリティの10のステップ

1.車を適切に受け入れる

・ハイウエイ建設と不動産価格の間に相関はない

・誘発需要:道路を広げると、渋滞が減り通行量が増える車線幅が10%増えると、走行距離が4%増え、数年後には交通量が新たに10%上昇する

・渋滞は燃料と時間(1,600時間/年)の無駄(予算の28%が交通関係)、渋滞課金は効果があるが、代替に逃げるケースも

・減少需要:NYのウエストサイド、SFのエンバカデロの高速道路撤去は交通量を減少させ跡地のモール利用が進んだ、ソウル清渓川高速、シアトルnアラスカン・ハイウエイ撤去は景観の向上と資産価値の増加、騒音の排除となった

2.用途を混在

・1900年のNYは工場と長屋、汚染と伝染病、ゾーニング制定に(居住と工業地区の分離など)→この頃のNYは映画や縫製の都市であった

・Lowellの再生:政治(アーティスト住宅の供給)、許可(特例、付置義務駐車場として代替に市営駐車場の活用)、誘導(歴史保存、コミュニティ再生の補助金)

・都心部コミュニティの多様化:Affordable Housingは増えすぎ。そのためインクルージョナリー・ゾーニング( Inclusionary zoning https://en.wikipedia.org/wiki/Inclusionary_zoning  )、グラニー・フラット( https://www.thespruce.com/what-is-a-granny-flat-1695933 )が有望

・オフィスも都心志向、補助金で本社を作っても出ていくケースも多い→定着には何が必要か

3.駐車場を正しく確保

・駐車場も需要誘発、(無料)駐車場依存と付置義務駐車場過多ができる、また無料の路上駐車探しに時間をかけて探す無駄が出る

・納得できる利便性と適正な価格負担の仕組みが必要

4.公共交通を機能させる

・マストラ利用の大体半分の割合が徒歩で移動

・マストラ投資は不動産価値も上昇、DARTの郊外はPark & Ride、都心の駅周辺は歩行のしづらい環境ため失敗、路線の両端にウォーカビリティが必要

・ストリート・カー(「路面電車」と訳した方が良い:https://en.wikipedia.org/wiki/Streetcar_(disambiguation) )の成功は路線の不動産価値上昇効果があり、利益を得る団体からの投資負担により新しい都心は作る、旧来の都心との連携が必要

5.歩行者を守る

・街区が小さいほど安全( https://www.researchgate.net/publication/43221307_Street_Network_Types_and_Road_Safety_A_Study_of_24_California_Cities )しかしこれはカリフォルニアの事例であり普遍化はどうだろうか→反証として、京都は40丈(120m)だが、大阪船場は40間(75m)だ。しかし、京都は一時停止と20km制限があり、船場よりよほど安心して歩ける。逆に「大阪ナンバー」は京都で運転が荒いと感じる。幅員も船場の3間と4間なら、京都の細街路と違いはあまりない。街区の大きさ(量)と共に交通規制、幹線・細街路道路幅・規制などの要素を考える必要がある。

・ロード・ダイエット(4車線のうち1車線を減らし、2車線と左折用のレーンにする)は、事故の減床と交通量も変化なし、1車線は歩道や自転車道に転用可

・リスクホメオスタシス( Risk homeostasis https://en.wikipedia.org/wiki/Risk_compensation#Risk_homeostasis )安全装置が無謀を呼ぶという理論

・ネイキッド・ストリート( Naked street https://imidas.jp/america/detail/B-14-A-027-17.html )なにもないと運転は注意する

・シェアード・スペース( Shared space https://en.wikipedia.org/wiki/Shared_space )縁石の撤廃など心理的分離 

・一歩通行は街の賑わいのバイアスになり、通過交通を増やし、回り道が多くなる

6.自転車を歓迎

・オランダ、デンマーク、アメリカではポートランドが先進、車道を自転車道化、最も効率的かつエコな移動方法

・自転車は危険なためヘルメットが効果的、自転車道の多様なありかたは線だけ・自転車専用道・シャロー(自動車と自転車の共存)など多様

7.歩行者空間の形成

・建築の「形態」と、そのあまりの「空間」があり、「空間」や建築の足元が空虚にならないのが肝要 Towers in the Park ( https://en.wikipedia.org/wiki/Towers_in_the_park )は最低:事例 Pruitt–Igoe( https://en.wikipedia.org/wiki/Pruitt%E2%80%93Igoe )

広い敷地とタワーの組み合わせは歩いて楽しくない→ボストンのPrudential Center( https://en.wikipedia.org/wiki/Prudential_Center_(shopping_mall) )など初期の面的再開発は分棟かつ歩くモールがあり、周辺の街との親和性があった(さらにリニューアルされた)

・歩く視線の高さから見た「小さな」スケールの空間を作る

8.植樹

・トロントでは街路樹があると交通事故が5~20%減少

・木の育成には住民参加を、混植より同じ木の並木を

9.街並みの親しみやすさ、ユニークさ

・エッジ効果→誤訳 Soft Edge(柔らかなエッジ)と原著にある( https://umranica.wikido.xyz/repo/7/75/Cities_For_People_-_Jan_Gehl.pdf  P88)Edge Effect  https://en.wikipedia.org/wiki/Edge_effects は生物学用語で誤用だ。 確かに「端」を好むのは電車でもあるが、寄りかかりたい欲求というべきもので、Soft Edgeを求めている事例だ。

・スマート・コード(Smart Code  https://transect.org/codes.html )→街並みのデザイン・ガイドはドイツのBプランやボストンのデザイン・コードなどで数十年前からあったと思うが

・大きく単純な壁面の建築は横を歩いて楽しくない

10.リソースの優先順位

・アーバン・トリアージ:有望な地区を優先、数ブロックの整備で効果が出る、分散でなく集中させる

 本著は役に立つ。交通についてちょっと詳しくなれる。

 米文和訳は複数が担当しているが、分かりにくい箇所や誤訳もある。英文併記の方が良いと思う。個人的には、ジェントリフィケーションよりGentrificationが馴染む。アフォーダブル住宅( Affordable Housing  https://en.wikipedia.org/wiki/Affordable_housing )も、低所得者向け(賃貸・分譲など)住宅の方が分かりやすい。

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沖縄アンダーグラウンド(藤井誠二):戦後の丸山遊郭の役割、アメリカ軍対応産業としての特殊飲食街

2022-11-27 02:37:11 | 都市経営

 沖縄の特殊飲食街(売春)の調査は、長く、暗く、渾身の著作だ。知見は:

・2010年真栄原町(栄町料亭)の浄化運動(市と警察・市民の共同パトロール・説明会)での廃業

・敗戦後、米軍の性犯罪(レイプ、殺人)と沖縄の困窮(戦争未亡人が多数、「特殊夫人(売春婦)」になる)

・米軍基地と特殊飲食街の共存→出島と丸山遊郭(駐留する外国人の性的要望とサーヴィス提供での売上を狙う都市産業)の関係に似ている

・取締と経済のダブル・スタンダード、八重島が発祥(米軍が後押し、RAAはなかった(橋下徹の論説は間違いとの指摘))

・貸し間の借り方は多様(ちょんの間用)、5千円(当時の5ドルに相当:処女は10倍)/15分、6~7割が売春婦の取分と割が良い

・ヤクザとの関係は薄い(工事関係での口銭が主体、工事減少によりヤクザも減る)、ヒモはいる(結婚しても働かない旦那)

・「19の春」(田端義夫)をうたったアケミ(映画「モトシンカカランヌー」売春婦のドキュメンタリー映画(NDU))

・売春婦は「性の防波堤」ではなかった、沖縄自体が日本の米軍からの「防波堤」となった

・売春は必要悪、アメリカ軍御用達のお墨付きがAサイン、危険となるとオフ・リミッツとされ立ち入り禁止に

・ベトナム戦争(1965~75)は出撃基地となり出兵(不安を持つ)により売春特需、白人と黒人対象の特殊飲食街に別れる

 

その後

・バブル景気以降は日本人ツアー対応のデートクラブ・ラブホテルのセットもありぼろ儲け

・ネットでの情報により近年は日本人相手、女性も日本各地から集まり儲けて帰る状況だった

 

 沖縄にこんな裏があったとは、一読をおすすめする

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京都への文化庁の機能移転は、その他の国内・外資企業動向も

2022-11-03 02:04:52 | 都市経営

 京都に現在政権問題の宗教を扱う文化庁が機能移転をする( https://saitoshika-west.com/blog-entry-8392.html )これは、副首都として京都の位置付けが上り、かつりBCP( https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/bcp )でのリスク分散にもなる。官公庁は霞が関に集中し、認可行政のため訪問せざるをえない「集客施設」としての位置付けもある。また、行政を担う官僚が集まっており、東京の災害時にはリスクが高い。

 NTTも副本社を2か所選定している(http://building-pc.cocolog-nifty.com/map/2022/07/post-7e5935.html )東京大手町の一極集中のリスク分散だ。これも、京都が選ばれている。

 2024年には大阪市でオフィスが8万3千坪の大量供給がある。東京では23年に23万1千坪の大量供給だ。オフィスを安全なビルに移転するとともに、副本社や副省庁の関西移転を考えるべき時だと考える。

 在阪大手企業は、大阪に本店、東京に本社と二本社制が多い。東日本大震災や、コロナ禍でも柔軟な対応が図れた。

 投機的円安の時期でもあり、ボーイングやモデルナなど日本進出企業を集めるのも一手だ。外資系企業でも我が国のGDP(雇用)増大になる。割安な労働力とビルの賃料・価格を利し、国を挙げて誘致しないのはおかしい。台湾のTSMCにはソニーグループと共同で工場を建設し4,760億円の補助金を用意している( https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61834950X10C22A6EA5000/ )。サプライチェーンやテクノロジー・トランスファーのみならず、オフィス誘致も雇用とITC発展の観点から積極的に政策に取り入れるべきだ。それでないと、いよいよアジアの中で我が国や東京、大阪の都市の位置付けが後退してしまう。

 まったく今の政権はごたごただけでマクロの経済成長戦略立案と実施計画がない

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洛中に街宣車が連なる:開催内容と開催場所に訝る、京都市とのやり取り

2022-09-18 02:32:35 | 都市経営

 このやり取りは、8月6,7日に「表現の不自由展 京都」がウィングス京都にて開催された。これに伴う、周辺に事業を営む、居住するコミュニティに甚大な被害を生んだ事象について、コミュニティの方々から当方への「だまし討ち」や「商売の阻害」、「都市生活の侵害」という意見踏まえ京都市に問い合わせたものだ。

 状況については、7月24日の祇園祭の還幸祭から1台の街宣車が東洞院通の烏丸と烏丸御池の中間にある( https://www.wings-kyoto.jp/about-wings/access/ )ウィングス京都( https://www.wings-kyoto.jp/ )に来るようになった。31日は朝から警官が大勢出てバリケードを東洞院六角に準備し、街宣車を南に(ウィングス京都前に)行かせないで、六角を東に(一方通行)に誘導する準備をしていた。10時半ごろから大きな街宣車が東洞院六角手前で停まった。その後ろには小型の街宣車が連なり10台ほど。騒音がひどい。30分停車し、その間は窓を閉めてエアコンを入れても騒音がひどい。街宣車の主張は「8月6,7日に開催予定の表現の不自由展 京都をウィングス京都でやるのを止めよ」というもので、初めてコミュニティは開催を知りえた。(予約制かつ開催場所秘匿、ウィングス京都から地元への説明なし)

8月6,7日はさらに警備が厳しくなり、東洞院通は御池、三条、六角にて規制線、烏丸通は三条、六角、蛸薬師にて規制線が引かれ、警察の動員も増えた。街宣車が続き、騒音は終日続いた。そのため、東洞院通では御池から錦あたり、六角通は御池から高倉あたりまで商業の売上が低迷し、かつ不愉快な環境となった。

そこで3度にわたり

①都市経営として開催の立地選定は適当か、京都市として代替案(場所)の提案はできなかったのか

→ウィングス京都という都心にて、警備が必要なイヴェント開催の理由が不明。代替の例えば岡崎の文化施設など、商業・住民の迷惑が少なく警備しやすい施設で開催しなかった理由

②周辺住民(コミュニティ)に開催の告知や打診がなかった

→市の施設ならこのような警備の必要なイヴェントについて相談・告知が必要

追加:③都市経営として不作為の行為であり収入減を懸念しなかったのか

→京都市は財政再建のため福祉を削り、公共料金値上げを実施しているのに、都心の商業活動など停滞させるイヴェントに対応方策がないのか

を3度にわたりやりとりした。詳細はこちらを参照下さい https://docs.google.com/document/d/1S3nH5x3TFbAM9xjEQNLQIvk2IwsQka8O/edit?usp=sharing&ouid=105225283798668528304&rtpof=true&sd=true

 それぞれについては

①について:「住民」以外も利用可であり、代替の施設など対応はしない

②について:施設の役割ではない

③について:警備など対応、「結果として地域の皆様にご心配をお掛けするに至ったことについては、重く受け止めております」コミュニティの経済やアメニティの損失への記載はない

意見として

Ⓐ法律の適当な解釈

・ウィングス京都の利用:地方自治法、憲法とめぐり、「住民」は利用可と言い換える

・法律を引用するのは良いとしても、部分の切り取り、毎回の返答での根拠の変化「憲法」を持ち出す違和感

Ⓑウィングス京都への責任押し付け:本施設は運営者募集中( https://www.city.kyoto.lg.jp/templates/shingikai_bosyu/bunshi/0000299241.html )

・受付は申込があったから、他を考える役割はない

・イヴェントの公表の役割はない、開催者の行為

・市の運営当局からの返答を指名しても回避し、文化局が対応

Ⓒマクロの都市経営の指摘回避

・財政悪化と市民への負担や福祉低減政策の一方、コミュニティの経済に悪影響を及ぼす

・警備費用など、だれが負担するのか、本来は開催者の負担ではないのか

 名古屋事例: https://news.yahoo.co.jp/articles/3c53bb124ec12ad882232f02171972238e5d5f30/comments 

 神戸事例 https://news.yahoo.co.jp/articles/be8ec90c04e2f1f49b85a3d24e350a510dac6199/comments

 3回のやり取りに呆れ果て、ここにまとめる

 コロナ過の中、京都市の都市経営は疑問だ

①イヴェントなどで自らの収入を減らすという、京都市役所内の部門間連携の悪い経営

②コミュニティを重視せず、対話する、改良する姿勢がない

③市長は観光産業に重点を置いていたのに( https://hiroharablog.hatenablog.com/entry/20210606/1622932637 )、コロナ禍より観光脱却と豹変、しかも観光客減による財政悪化と再建に切り替え

④ホテル・旅館はお宿バブルだが、経済の根幹となる産業と人口増を狙い企業やマンション誘致に高さ制限緩和(もともと破ったのが、岡崎のホール(市所有のリニューアル)と島津のビルが嚆矢)として一部地域で高さ規制緩和の答申案( https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20220819/2010015251.html )の性急さ

 まったく、近視眼的な都市経営というほかない。厄災のような市長の交代に向け2024年の市長選に期待したい

 “The buck stops here”(私が仕事の全責任を取る https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/The+buck+stops+here./ )という人物は

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京都と近代(中川理):京都の産業・インフラを政治・町組・技術官僚から分析

2022-09-04 02:20:20 | 都市経営

 7本ほどの論文や著作をまとめたもので、「重税都市」に関する都市の地方税と住民移転が面白い観点だ。このような経済や都市経営からの都市計画の著作は貴重だ。

 知見は:

・京都日出新聞(京都新聞)からの引用が多い

・武田吾一デザインの鈴蘭灯は1924年寺町通、1926年元町通( https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/motomachidori/motomachidori30.html )などに展開

・明治時代の千本通、烏丸通は軒の張出もあり4,5間くらいの有効幅員→平安京の大路小路は両側から浸食された

・尼崎博正(1984)「南禅寺界隈疏水園地群の水系」( https://ncuonolab.wixsite.com/main/ncu-ug04v2 )

・三大事業(1908年)と土木官吏、「都市専門官僚制」

・土地区画整理事業(1926年計画図作成)と公同組合(もと町組(小学校区)の再編)

・国税・府県税・市町村税の(戸数割(賦課基準が不公平で大規模優遇、人頭税に近い))付加の仕組み、都市部に限り家屋税(家屋所有者に賦課)、市町村同士でも負担格差→新規住宅開発が多いなら安くなるなど:1931年まで施行

・京都は戸数割が強く、家屋税がないため家賃が安いのは「借家が儲け」でなく地主・家主が安い戸数割の権益確保としている→本当か?投資の費用、家賃収入などの証明がないように思うが

 文献での確認が多く、図面検討や、実際の街並み変容など都市計画の結果としての経済変化についての分析に欠けるのが惜しい。例えば、岡崎は、新しい市街地となり、モダンな邸宅も増え、それがため進駐軍の接収(水洗便所や風呂の完備による)となり、一時はブティック・ホテルに転用され増えたなどがある。

 また、土地区画整理事業での西大路・北大路・東大路(白川通)の独自の景観形成なども、京都の都市計画の側面を示す。走ってみれば、ちょっと違う街並みだなと気づく。曳家をした事例も見かける。都市計画と現在の利用の実態感や変化の考察が欲しい

 京都都市計画の歴史のある一面を知るには良い

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大阪を梅田から心斎橋まで歩く

2022-07-06 02:25:36 | 都市経営

 阪急の梅田を降りて、地下を阪神側に。阪神入口前の地下は工事が進み、柱が少なくなりつつある。

 新地を歩くと、堂島の三菱の工事が進む。淀屋橋東西の再開発は解体が完了。日本生命の淀屋橋ビルが竣工間近、本館の「日本生命」の縦の文字がくっきり見える。

 今橋あたりから心斎橋筋あたりをゆったり歩く。南北の筋は日陰がない。歩いていると一瞬、くらくら、心臓がどきどきする。これは熱射病かと本町の船場センター街を越してアーケード街に避難する。涼しい、ほっとする。

 萬栄のある南久宝寺通あたりから商業が多くなる。看板も派手だ。大型の空きテナントも目立つ。行列のラーメン店などあるが、閉じた店舗や落書きは、ちょっとやさぐれた感じがする。

 大阪のオフィス街は、南久宝寺までと感じた。心斎橋の角は大きな再開発が予定されているが、オフィスより商業主体だろう。心斎橋を越えて難波までの人通りもあまり変わらない。大丸も賑わいがまあまあ。

 できれば、東側のコロッケのとん平やうどんの松葉屋まで足を延ばしたかったが、この陽射しと暑さでとりやめた、心斎橋から帰洛。1万6千歩

 6月末でこの暑さとは

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「外人」と呼ぶのはダイヴァーシティの時代に反しないか、インターナショナル観光客の数よりターゲットと満足度追及の「質」が重要

2022-06-20 02:06:13 | 都市経営

 TVなどで「外人観光客」誘致などと聞くと違和感がある

 外人の反対は日本人であり、外人とは非日本人のニュアンスを感じる。30数年前MITの学生であったときはInternational Student(s)と呼ばれた。アメリカに住むと母国はともかく、人種間の軋轢はあるもののアメリカ人となっていた。

 外人ではなく、国際観光客やインターナショナル観光客と呼べば良い。国内居住の方は、国際市民、インターナショナル市民と呼べば良いと思う。

 菅元首相が「円安をてこにインバウンド(訪日外国人客)事業を」( https://news.yahoo.co.jp/articles/7b7d6e9066575f8c6a44aab37b3807a22d2161cb )と相変わらずの発言だがマーケティングが分かっていない。

 観光とは少ないとホテルなどの設備稼働率が悪く、多いとオーヴァー・ツーリズムの弊害が出る。このコントロールが必要だ。つまりは、定常的に消費単価の高い太客を狙うのが賢明だ。

  DBJも2016年の「量」の必要性( https://www.dbj.jp/pdf/investigate/area/kansai/pdf_all/kansai1608_03.pdf )から脱却した。

 ホテルのセグメンテーションによるラクジュアリー・ホテルのポジショニングとターゲットとする高収入層を分析し、近年の観光変化を踏まえた需要予測を提示している。

 このターゲット狙いの「高級(1泊10万円以上)」ホテルも関西では京都を筆頭に整備が進みつつある( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF067VL0W2A600C2000000/ DBJレポート: https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/04a553256fc37c9cc760c851be286385.pdf )

 このターゲットに対し、長い滞在、高級な体験(地元の食事、文化・歴史の体験、特別な見学(貸切や早朝)など)を用意するのが「混まずに」、「いつも賑わい」、「世界から集める」という東京ディズニー・リゾート(TDR)につながる手法だ。

 なお、「いつも賑わう」と「人を集める」については1991年の新建築別冊にて当方がMITでの研究成果として分析している( https://drive.google.com/file/d/11iQaW8FH0qO1tCP6tYxbuMx0s0OGYxL4/view )

 国際観光客誘致もやっと「量」から「質」に転換した。さらに、MICEに絡み、同伴配偶者のイヴェント立案など更なる消費単価と満足度の上昇を図る観光企画が重要だ。今後のリピーター確保にもつながる。エコノミー・クラスを満席にする「量」より、ビジネス・クラスを選んでもらえ、満足して支払う顧客の開拓の「質」が重要なのと同じだ。

 観光は水商売に近い人気を重んじ、しかも、「わざわざ時間と金を費やす」しても「体験」したいという根源を忘れてはならない。なお、安物や混雑で疲労すれば悪い評判が尾を引く。

 これからは、街中でも「国際観光客」や「インターナショナル・ツーリスト」として認識し、「外人」と呼ばないのが良いと思う。

 我が国の一般人より日本文化の造形が深いインターナショナル研究者などごまんといるし、日本語も達者だ。古典や古文書も読めるぞ

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大阪万博はどうなる:事業見直しと大阪市のありかたの検討が必要では

2022-03-24 02:46:18 | 都市経営

 当方はオフィスの集積の分析が専門だが、86年~88年海遊館の事業計画を作成し200万人/年と予測し、現実化した実績がある。

 その観点から、面白い記事があった

https://news.yahoo.co.jp/articles/f8f1483f539c515d7f645300308bf4a7584ddb36 

https://news.yahoo.co.jp/articles/33e62635a3a94b04ff6c691da30270e7c7621d8a

 事業費2,900億円(B/S)がもともとの1,200~1,300億円から高騰とある。( https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoryu/hakurankai/pdf/001_08_00.pdf )

3千万人の集客なら、9,677円/人になる。もちろん、運営の経費(P/L)もかかるため、B/Sから出捐やスポンサー料を引いたとしても回収可能なのだろうか。また、開催後の利用はどうするのだろうか。まさかIR( Integrated Resort )頼みではないと思うが。

 2025年4月13日(日)〜10月13日(月) 184日間、大阪市の公表( https://www.city.osaka.lg.jp/banpakusuishin/page/0000397329.html ) 「想定入場者数:約2,820万人」とすると、平均15.3万人/日(往復では倍程度(現地宿泊分がの祖かれるため))になる。これは、年間3千万人の東京ディズニーリゾート(TDR https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%BA%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%88 )の倍に相当する。つまりは、TDRの大入り満員が続くようなものだ。交通機関の負担が大きく、しかも地下鉄とバスの運行だ。TDRは東京駅から直線距離で10kmほどだが、大阪万博の夢洲は梅田から11km、新大阪から13kmある。しかも、これから交通機関整備のため分担率やピーク時間・曜日・季節の対応が不明だ。

 また、遅れて整備のIRについても出店側からの解除条項( https://news.yahoo.co.jp/articles/addac956fc10e0689603c1bfff49376a939cc21c )は不安だ。用地の土壌改良にも多額の資金が必要かつ計画遅延の恐れもあると聞く( https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20211222-OYO1T50002/ )。よしんば開業したとしても、コンヴェンション(最近はCon-vacation としてConvention+Vacationも多い)でも、同伴の奥様方の観光や、パーティでの知合いへの挨拶と情報交換などが求められる。京都で医学学会が多いのは奥様観光(なり切り舞子や世界遺産見学)が強いからだ。カジノと複合性だけでアメニティとしての歴史や自然のある、京都や奈良、そして都心観光の大阪ミナミに優位性があるだろうか。例えば、我々でもアメリカ観光に行く場合、ニュー・ヨークの都市観光とラス・ヴェガスのカジノ観光のどちらを選ぶ率が高いか考えればわかりそうだが。USJや海遊館も近いが回遊を誘発できるかどうかは未定だ。しかも1兆円を超える投資のリスク、それを回収するカジノでの賭け事とは社会的影響を考えると暗い気分になる。アジアや中東、アメリカのカジノの倒産事例もある。(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/2/3/7/3/4/0/8/_/houkoku1.pdf  https://www.cas.go.jp/jp/siryou/pdf/150519houkoku.pdf )なお、1兆円を借入金で賄えば、不動産担保があるとしてもリスクを見て5%程度の金利となろう。そうなると、利払いだけで500億円/年となる。

 万博1,600億円程の超過も気になる。京都市地下鉄の事業費が3,000億円程膨らみ、未だに財政の足かせになっている( https://www.nikkei.com/article/DGXLZO98426660U6A310C1LDA000/ )

 夢洲への過去の投資はSunk Cost( https://en.wikipedia.org/wiki/Sunk_cost )として認識し、ゆっくり活用を考える方が得策と思うが。南港(咲州)ですら活性化計画が必要な状況だ。( https://www.city.osaka.lg.jp/suminoe/cmsfiles/contents/0000432/432346/HP.pdf )

 さらに、MICEにしてもインテックス大阪が一度も全室稼働がなかったこと、立地として先日のコロナの大阪コロナ大規模医療・療養センターの利用が極低調だったこと、旧WTCのホテルは係争中であり、ATCも閑古鳥が鳴いていることも併せて考えるべきだ。

 地道かつ実直に、大阪市は都心居住とコンパクト・シティを目指し、欠けているアメニティ(水と緑の活用)をまずは推進すべきだろう。更に、区の併合も必要だ。

 関西が連合し、東京からの副本社(リスク分散のため 等)誘致によるオフィス集積の強化や都心産業としてのICTの発展などを狙うのが「クリエイティブ都市」( https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E9%83%BD%E5%B8%82%E8%AB%96%E2%80%95%E5%89%B5%E9%80%A0%E6%80%A7%E3%81%AF%E5%B1%85%E5%BF%83%E5%9C%B0%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%84%E5%A0%B4%E6%89%80%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%8B-%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%80/dp/4478006199 )として選ばれるために必要だ。

 デパートの斜陽化が言われるなか、リゾートというハコモノ依存はもやもやした気分になる。

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長崎丸山遊郭(赤瀬浩):遊郭と産業を分析した名著

2021-11-21 02:15:14 | 都市経営

 遊郭の一般的内容をまとめたうえで、長崎の特殊経済と唐人、オランダ人駐日対応から遊郭・遊女を描いており必読の書だ。

 知見は:

・遊女は9C 後半遊行女婦(ゆうぎょうじょふ)、娘子(じょうし)と呼ばれ貴人の前で今様を謡う(白拍子など https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E6%8B%8D%E5%AD%90 ) 、中世には遊女集団として女系的「家」としての集団を形成、15C後半には遊女屋の経営者が男性となり、外部から遊女が流入、中世的な遊女集団が崩壊、近世以降、遊女屋は男性社会向けで性的欲望の場として雲煙、疑似的恋愛など演出し高額化するシステムが形成

・遊郭は公許でルールが厳格、私娼は岡場所→外場所(ほかばしょ)、遊里(ゆうり):江戸幕府、(明治政府も)無認可の売春を取締った

・公認遊郭として丸山遊郭(丸山町と寄合町)は吉原、島原、新町に市街地規模、後背地生産が貧弱で小型、対外貿易が特徴、

・貿易利益の還流(揚代や贈物など)が遊女の役目で、長崎第一の「商品」

・遊郭(堀と山)、周りの「茶屋」、「日本行(日本人のみ)」、「唐人行」・「阿蘭陀行」の外人相手で唐人屋敷や出島に出入りする

・吉原 上級:太夫・格子・三茶・梅茶、下級:鉄砲・けん鈍、囲(かこい)→丸山(身代金で奉公) 太夫、店(見世)、並 

・名付遊女(名義借り:手数料契約)・仕切遊女(特定相手の愛人契約)で唐人・オランダ人相手で遊女としての身分で唐人屋敷・出島に出入り

・舞いや小唄(もとは白拍子のため)のできる遊女が評価

・揚代:日本人 太夫で15匁(約3万円)揚屋送込 だが、「惣花(そうばな:大盤振る舞い)」など、各種祝儀が必要な場合も、唐人6匁、オランダ15匁、(但し見世は25%割安)

・唐人は優遇、薬種:梅毒治療の山帰来(さんきらい https://www.fukudaryu.co.jp/sozai2/sankiraiHP.pdf )など、書籍が貴重なため、唐人を丸山遊女でつなぎとめるため揚代を割安にした

・オランダ人は1年交代のため、遊女をほぼ毎日呼んだ例も、約450万円に相当、高給のため贈物などが多かった、ラクダも。子供ができた場合は年金基金と年金支払いも

・丸山遊女は「太夫衆(たよし)」、(一般客からは「女郎衆(じょろし)」と呼ばれた)は三味線など芸の(裏では色を売る不見転も)「芸子衆(げいこし)」芸子より格上と見られた→これはどこの遊郭でも同じ

・江戸時代に大坂芸子から地下(ちげ)芸妓が丸山遊郭で勢力を伸ばす、両立状態となる。維新後は芸子が芸者となり主役に

・ロシア人対応(1860年~):検黴(けんばい:梅毒検査)は反対にあう

・明治5年(1872)丸山遊女も解放令に:娼妓になり鑑札が必要、芸妓も、しかし全国色街のひとつとなった

 

 産業と色街の関わりを分析した観点が素晴らしい

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コロナ禍が収まると、インフルエンザ並みになるのか:観光はリスクがある

2021-09-20 02:15:06 | 都市経営

 風邪とSARS, MARSに今回のCOVID19がコロナ型のウイルスで、前からあるのはインフルエンザ・ウイルスであり、ちょっと内容が違う( https://www.saiseikai.or.jp/feature/covid19/influenza/ )。インフルエンザの棘はHA,MAが変化する( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/f73629bf882c9e97d82105aff783866a )

 対してコロナ・ウイルスはスパイク(S)タンパクがずらりとならんでいる( https://www.jiu.ac.jp/features/detail/id=6822#:~:text=%E3%83%BB%E8%A1%A8%E9%9D%A2%E3%81%AE%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E7%90%83%E4%BD%93,%E7%9B%B8%E6%89%8B%E3%81%AB%E8%A7%A6%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 )

 インフルエンザも1918年のスペイン風邪では猛威を振るった。( http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/pandemic/QA02.html )今でも、毎年ワクチンの接種があっても猛威の年がある( https://president.jp/articles/-/33053?page=2 )

 これを見るにつけ、コロナ禍もワクチン2回接種で収まりそうもないが、折り合いながら平常を取り戻すのが得策だ。

 研究室の同期は観光会社を運営していたが、SARSに懲りて転業した。パンデミックに終わりはない。観光政策を声高に提唱するものは多かったが、リスクに着目した見解はなかった。観光とは、我が国では過剰投資でMinsky moment( https://en.wikipedia.org/wiki/Minsky_moment )を越え、さらにコロナ禍で需要が蒸発し、今や建築中や休業中案件取引など投機的取引スキームになってしまった。

 観光に頼る都市経営を選らんだ京都市の赤字は、リスク管理とITCなど進出意向のあるオフィスでの都市産業の育成など多様性が欠けていた。アベノミクスに追従し、ホテル旅館開発特化は門川大作の失策というしかない。厄災としか言いようがない。

 今後の安定成長のため学生を地元で雇用する都市産業(ITCや京都ハイテク系)育成に「お宿」を不足する洛中のオフィスに転換しオフィス供給量を増やすか、若年人口増加に単身向け都心アパートに転用(内廊下以外は殆ど同じ仕様のため)し賃貸料低下を図るのが得策だ。

 もっとも怖いのは、次のコロナ・ウイルスが出てこないかだ。観光業界にとっては大きなリスクとなる。

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オフィスは無くなるか:対面の重要性が必要なチームや職種での活用

2021-09-14 02:24:51 | 都市経営

 ジョブ型の採用にしても、課題に対するチームを形成し、課題達成はもちろんだが相互教育や協働での方策立案などが重要になる。となると、オフィスで顔をあわせて、気楽な会話からのつながりやコミュニケーションがより大切になる。

 また、印刷や飲み物のコーナーでの「ふとした出会い」がさらに貴重になり、立ち話でのテーマや人脈が広がりのツールとなろう。目的的な会話だけでなく、「雑談」の機会が大切になる。これは、今までのチーム単位での飲み会推奨ではない。仕事の合間での社内の出会いだ。昔からFMで言われている「無作為」の情報の交換であり、結節するGate Keeperが大事だ(MIT SloanでTom Allenに組織管理論としてFMを習った https://drive.google.com/file/d/11lwMu4zCKb8_ZjOul1D06DBGV7aaJ3t7/view?usp=sharing )

 プレゼンでもZoomでは、ボディ・ランゲージが伝わらず、会議形式で顔を合わせる場合の30%くらいしか伝わらないと感じる。資料のPowerPointでの説明はともかく、Q&Aの盛り上がりや展開とか、Body Heat が感じられない。

 今後のオフィスは、チームがいかにまとまるかとすると、無作為の会話や教えあい、知識の共有、課題解決の話し合いなどが重要になる。とすると、島型のフリー・アドレスよりも「なんとなくかたまる」クラスター型が良いように思う。

 オフィスでのノマド(放浪)ではなく、柔らかな「ムラ」の形成のようなものだ。週に決まった時間集まるように「コア時間」と「ムラの場所」がある方が良い。この管理がマネージャーの役割で評価される要素になる。

 テレワークは事務仕事や資料作成などには良いが創造的、課題解決的、プロジェクト的な職務やチームワークには向かない。デジタルではなく手書き、Zoomではなく雑談やひらめき、ルーティンではなく創造だからだ。

 オフィスの働き方や、働く職制、機能によりこれから変容しよう。コロナ禍の副産物といえるかもしれない

 とまれ、オフィス需要は、テレワークでのオフィス経費削減もあり全体として減少しそうだ

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