徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

セミのしあわせ

2008-07-25 18:17:21 | その他
 毎朝、裏の木で鳴くクマゼミがうるさくてしかたがない。騒音のレベルはいったいどのくらいなのだろう。あんまりうるさいので、庭に降りて木のそばまで行ってみた。ギョッとした。クマゼミが鈴なりになっているのだ。逃げようともしない。平然として鳴き続けている。われわれの子どもの頃、クマゼミといえば貴重な獲物だった。朝からセミとり網をかついで、家の周辺の木から木へと探し回ったものだ。しかし、ほかの子どもたちとの捕獲競争もあって、一匹捕まえるのは大変だった。昔のセミは敏感だった。われわれが近づくのを察知すると、おしっこをかけて逃げて行った。今は誰も獲りに来ないうえに、昔と比べると木々も少なくなってしまい、セミたちは限られた場所にひしめき合っているといった様子だ。セミにとって昔と今とではどちらが幸せなのだろう。ふとそんなことを考えた。