徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

ヤマの絵 世界記憶遺産に!

2011-05-26 18:22:35 | 時事
 福岡県筑豊の炭坑を描いた山本作兵衛さんの絵が、ユネスコの「世界記憶遺産」に日本で初めて登録されることになったそうだ。作兵衛さんの絵を初めて見たのは2年前、荒尾の万田炭鉱館に見学に行った時だった。三池炭鉱三川坑で炭鉱マンとして働いていた岩本繁徳さんから詳しい話を聞いた後に見た風呂場の絵のリアルさに驚嘆した。どんな写真よりも当時の状況を生き生きと描写しているのではないかと思った。実は僕が働いていたタイヤ工場の大先輩に聞いた話では、タイヤ工場の風呂場も、戦後間もない頃までこの絵と似たような状況だったらしい。その先輩が新入社員の頃、作業が終って風呂場に行くと、湯舟の縁にずらっと倶利迦羅紋紋のおあ兄さんたちが座っていて、恐くて入れなかったそうだ。また、この絵の説明と同じように、カーボンで汚れまくったまま、湯をかけることもなく湯舟に飛び込んでいたらしい。それは一つの例に過ぎないが、労働安全衛生環境が極めて劣悪な状態でみな働いていたそうだ。しかし、それが日本の戦後復興と今日の繁栄を支えたのは間違いない。その意味でも今回の「世界記憶遺産」登録は大きな意義があると思う。