徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

まつり囃子

2017-08-21 17:05:53 | イベント
 時折、遠くからラッパの音が聞こえてくる季節になった。熊本市秋の風物詩「藤崎八旛宮例大祭」が近づいていることを思い出させる。千年以上の歴史を有するこの祭りは、本来、仏教儀式だった「放生会」を起源とするが、神仏習合の時代、藤崎八旛宮においても重要な祭礼として歴史を刻んできた。420年前、加藤清正が朝鮮出兵から無事帰還できたお礼参りとして始まった随兵行列や飾馬奉納などが主たる行事となり、今日まで続いている。本来、神職が乗るための飾馬を足軽たちが囃し立て、観衆が盛り上がったのが、今日の馬追いへとつながったと伝えられている。ラフカディオ・ハーンや種田山頭火らの文書にも登場し、この祭りの代名詞であり、囃し言葉でもあった「ボシタ!」という言葉は、差別用語として現在、使うことを禁止されている。しかし、ものごころついた頃から慣れ親しんだ僕らにとって、表立って言うことは控えているものの、心の中では今でも「ボシタ祭り」である。