徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

初めて阿蘇山を見た漱石

2019-12-19 18:41:45 | 熊本
 明治29年(1896)4月13日、熊本に着任した夏目漱石が初めて阿蘇山を目にしたのがこのポイントです。12年後、漱石はこの時の印象を次のように語っています。

▼漱石談話(明治41年2月9日の九州日日新聞に掲載された熊本の思い出)
 彼處から眺めると、家ばかりな市街の盡くるあたりから、眼を射る白川の一筋が、限りなき春の色を漲らした田圃を不規則に貫いて、遥か向ふの蒼暗き中に封じ込まれて居る。それに薄紫色の山が遠く見えて、其山々を阿蘇の煙が遠慮なく這ひ回つているという絶景、實に美観だと思つた。


漱石が新坂を下る場面の再現(2016年4月13日 「お帰りなさい漱石祭」にて)


漱石が熊本の街を眺望したポイントに設置されているプレート


 その阿蘇山は、10月7日に中岳第一火口が噴火して以来、火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続中です。下の写真が現在の阿蘇山の状況です。


2019年12月13日の阿蘇山(漱石が見たポイントから撮影したものです)


▼漱石の目にはこう見えていたのでは、という絵です。

夏目漱石内坪井旧居パンフレットより