徒然なか話

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歌舞伎の410年 新しい時代を開くために・・・

2013-03-29 20:08:49 | 歴史
 新しい歌舞伎座が完成し、4月2日に開場することを記念して、27日、東京・銀座で歌舞伎俳優64人による「お練り」が行なわれた。沿道に集まった約3万2000人の観衆は新しい歌舞伎の時代到来を予感したのかもしれない。
 そもそも歌舞伎の始まりは、慶長8年(1603)に出雲阿国が北野天満宮で興行を行なった時点をもって始まりと言うそうだから、今年で410年の歴史と言うことになる。出雲大社の巫女だったといわれる出雲阿国は、はじめは念仏踊りのような信仰的なものだったらしいのだが、次第に、ふりごと・物まね・あてぶりの踊りを演ずる様になった。当時「かぶき者」と呼ばれた派手な身なりをした若者たちが京の町を騒がせていた。阿国はいち早く彼らの身なりを模倣し、能舞台に似せた舞台を設えて「かぶき者」を演じた。出雲阿国が、芸能史上、特筆すべき存在となったのは、それまでの宗教的な唄や踊りから解放された新しい芸「歌舞妓踊り」を生み出したからといわれる。
 しかしその20年後には、風紀を乱すとの理由から女歌舞妓は禁止され、歌舞伎の舞台から女性がシャットアウトされて今日に至っている。もともと歌舞伎を生み出したのは女性。どうだろう、真の意味で新しい歌舞伎の時代を開くために、400年の時を超えて女性を再び舞台に上げることも考えていいのではないだろうか。


熊本城本丸御殿落成記念「坂東玉三郎特別舞踊公演」より「藤娘」
(2008.4.30 熊本城二の丸公園)