このことは、だいぶしゃべったけれど忘れずに書いておくことにしよう。
なぜこのエッフェル塔の下にいた鳩を描いたかというと
変な鳩だったのよ。
浅草寺や上野公園にいる鳩は人間のところに寄ってくるけれど
それは、人間の持っているえさに反応しているのよね。
肩にとまったり腕に止まったりするけれど
頂戴頂戴といって視線を合わすことはない。
ところがこのはとは
私と視線を合わせて寄ってきたのよ。
だから首をこう右に傾けて左目で視線を合わせて
生意気な雰囲気だった。
「おまえさあ、どこから来たんだよ!なーにやってんだよ馬鹿みたいに!」
こんな感じ。
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イヌの性格というのも
人間に対しての行動パターンの違いでもあるね。
イヌにとって人間は意識の中にあるものね。
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魚って、あまり人間を意識しないのではないかと思うけれど
釣りをする人は独特の交信をしているのかなあ。
私は若者の頃、海に浮かんで魚を眺めるのが好きだったけれど
石鯛の子どもは、この鳩ぐらいは視線を合わせてくる魚だったよ。
足の産毛をチュンチュン突っついてくるので
もぐって石鯛の子どもと向き合って
「痛いじゃないか!」
と文句を言ったつもり。
そうしたらからかうように視線を合わせてちょろちょろ
すばやいから捕まえられない。
よし釣ってやる!
そう思って釣り針の先にフナ虫だとか、ヤドカリだとかつけて
釣ってやる!
気配を消して海面に浮かんで釣ろうとしても、石鯛の子どもはだめ
お馬鹿さんなふぐだとか
縞模様の似ているオヤビッチャとかは釣れるんだけれどね。
相当、お馬鹿さんな私はむきになって
石鯛の子どもを出し抜くのに熱中した。
結局この勝負
私は勝ったのよ。
どうしたかというと
ビニール袋を海の中に漂わせて
その中に、石鯛の子がが入ったとき
パッと引き上げて捕まえたのさ!
その戦利品を絵葉書に描いて
浮き浮きと出したのがあったはずだが
その絵は見つからない。