お葬式って
なんかわけのわからないものだなあと思う
今日は一日がかりの葬式でほとほと疲れたが
最後のおふるまいの時の献杯の挨拶が武蔵の係で
彼は話が下手そうな話方で実は
ものすごく話がうまい
わたしは やっとそれで故人を偲ぶ気持ちになれた
裏のおじさんたちが幼くして両親を亡くした
よく来るおじさんの妹は当時4歳だったとか
ここの家でうちのおばさんも武蔵の母もみな兄弟のように育ったとか
16歳で高校を中退して航空兵に志願して特攻隊になったこと
19歳で 戦闘に赴くために
富士山の上を飛行機の連隊が通過するとき
富士山に別れを告げるように
翼を揺らしてあいさつした などの話
皆おじさんから聞いた話だ
次の日出撃 というときに終戦を迎えて
おじさんは生き延びたのだった
その後も飛行機が好きで飛行機を乗り回して墜落
腰骨を折る大けがをしたりしたのだった
お棺にはおじさんの部屋に飾られていた飛行機の写真が一緒に収まっていた
花に埋もれて
信じられない小ささの固まったおじさんの顔
・・・
わたしは自分が死ぬとき
わたしは親族が少ないし
親族も代が変わって縁が少ない人が親族ということになるだろうし
勿論田舎に親族はいない
むさしの親族は
関係ないよな 私とは
友人関係も多分体が弱れば絵の会も出なくなって
縁も薄れるし忘れられるし
葬式いらないじゃないかと思う
今日のお葬式見ても
おふるまいの費用だの
飾りの費用だの
持たせるおみやの費用だの膨大
それに そういうものがありがたいようなものでもない
いらないよなあ
焼いてお骨にしてお墓に入れるだけでいいじゃないかと思う
今日だって
帰ってきてから
お向かいの向こうのおうちの人(親族兼おくみあい)が重い
箱を持ってきた
武蔵がもらうべきで忘れたものって
多分ビールが入ってるんだ
誰も飲まないのに
重いのかわいそうに
誰だ忘れたのは!って おうちを経巡って聞いて歩いたんだって
可哀そうに
ま おばさんはこういう諸々 すごく大事に思う方だからおばさんは地の人だし
ちゃんとお葬式やってあげないといけないと思うけれど
(でも私の方が先の気がする)
わたしは先に逝く気でいるから
そりゃあとに残る人が地域で肩身が狭くなっちゃいけないだろうが
ああああ
葬式嫌い
都会の片隅で 無関心な人々の目を避け
もう 焼いてお墓に入れてくれるだけでいいのだ
お墓だってどうでもいいけど
何しろ3つもあるし・・・
離婚すりゃ可能だな
そのために離婚なんかしないけど
何しろ武蔵はお役立ち人間だからな
・・
今日もご近所のお絵かき大先輩の旦那が
その大先輩が入院しちゃって
一人暮らしが始まってほとほと大変だというので
困ったら連絡頂戴
武蔵がすごくお役立ちだ
ドンドン使っておくれと申し込んだ
ちょっと待て!
武蔵は地域ではすごく評判が良い(外面がいい?実際よくやる)
これはちゃんとお葬式はやらねばならないタイプの人間だ
え?
私がやるの いやだな
でもやるときはやらねばならないな
然し 田舎の子じゃない子供がやるのも大変だな