STAP細胞に群がった悪いやつら
小畑峰太郎著 新潮社 2014.11.25出版
図書館の「話題の本」コーナーで借りてきました。
ヤクザなタイトルとは裏腹に、丹念に調査し時系列に沿って
丁寧に書かれた本でした。
私がSTAP細胞を知ったのはあの衝撃の会見でしたが
あれが始まりではありませんでした。
あの時はすでに巨額の裏金が動いており、もう止められない事態に
なっていたようです。
私の頭で理解するのはむずかしいところがありましたが、
「じゃ、発端はなんだったのか」というのが気になりまして
繰り返し読み、はっきりは書いていないけれど私なりに考えました。
発端は バカンティ教授が株で一儲けしようとしたことだと思う。
というのは、アメリカで一時期 ねつ造された科学論文をもとに
インサイダー取引まがいの手口で、株価操作をして金儲けをするという
事件が多発し、現在のアメリカではこれを厳しく監視する機関が出来ている。
しかし、日本ではまだ知られていないので、通用すると思った。
日本の最高の科学機関に持ち込まれた「あやしい細胞」はは
再生医療産業や理研、政治家に火だねとしてともり、
思いもよらない大爆発を起こしてしまった。
たぶん、会見に踏み切ったのは
「STAP細胞は研究する価値がある」ということを認めさせるだけでよいと
考えたのではないか。
巨額の金を手にしてからなんとでもなると。
ところが、小保方がニセモノの科学者だったことから、自体は急変してしまって
どうにもならなくなってしまった。
と、私は考えました。
一方私は、小保方がニセモノだったのがいけなかったとばかり思っていましたが
違う見方もありました。
小保方は「研究者ではなく技術者であった」という見方です。
技術者であれば、目指したものができればそれでいい訳で
真理の探究まではする必要がない。
出来るまで、ひたすら実験を続けるというのも、
ノートも何もないというのも技術者としての
訓練しか受けていなかったとしたら、うなずける。
ここにもう一つの発端がありました。
科学と科学技術は別のものであり、今回はこれがごちゃごちゃになっていたのも
このような事態になってしまった原因と書かれています。
もし、STAP現象、STAP細胞と言う物があるならそれは
すでに「科学技術」のテーマになってしまっていた。
読めば読むほど、迷宮の奥に入り込んでしまいました。
この本で知ったのですが、政府の方針が再生医療に向いているので
政府の予算、株、など巨額の資金が動いているようです。
記者会見で理研を批判したあの人も、小保方を未熟と言ったあの人も
裏でやってることはひどい!
それを元によく考えてみれば、特殊な事件ではなかったのかも。
私の知らない世界ではよく起こっていてバレちゃった時だけ
ニュースになって忘れられていく今までの事件と基本は同じかも。