北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

読まれるほどに、無念の気持ちが・・・

2011-05-26 | 雑感
 ある労働関係の団体の月刊誌に寄稿を頼まれ、今日は原稿書きに時間を費やしてしまった。福島第一原発の原発震災を受け、あらためて珠洲原発を阻止したたたかいについて書いてくれという。依頼の字数が多くないので、書きたいことはたくさんあるが、できるだけ編集者側の意図に沿った内容に、ということでなおさら悩んでしまった。

 基本的なことはもちろん頭の中に入っているが、細かな事実関係は案外忘れているもの。あらためて6年前に書いた拙著「珠洲原発阻止へのあゆみ」を読み直した。
 
 自分で言うと完璧に手前味噌になるが、久しぶりに読み直すと結構おもしろい。文章自体は読み直すと手直ししたい箇所がたくさんあり、若干の誤字まであるのでお恥ずかしい限りだが、珠洲原発「凍結」が決まった3ヵ月後から約半年かけて一気に書き上げたので、「思い」は今書くよりも絶対にストレートに伝わっていると思う。
出版社には在庫は残っていないはずなので、欲しい方は、私に直接注文して欲しい。残部わずかなのでお早めに(とPR)。

 ところで、この本を出版してくれた七つ森書館は、平和や環境、食、教育などの関係の本を多数出版しているが、もっとも多いのは原発関係の書籍である。
 拙著もその末席に入れてもらっているが、私の尊敬する、そして90年代までに反原発運動に関わってきた人なら知らない人がいない高木仁三郎さんの著作集まで発刊している。
 社長の方針は、脱原発の市民運動と歩む市民出版社を目指すというくらいだから、経営的には楽なはずがない。いや、2000年代に入り、原発関係の本が売れない時代に入り、会社の経営は危機的状況に陥ったと聞いていた。私の本の出版が、さらに足をひっぱったのでは、と心配になったくらいだ。

 そんな中、今日、たまたま七つ森書館から「編集だより」が届いた。
 4月期は出版点数だけでなく、総出荷冊数、売上高も伸び、長年の資金難から解放されつつあるという。理由はもちろん、福島第一原発の原発震災である。
 原発事故が起きないことを願って25年間出版を重ねてきた七つ森。

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 残念です。無念であります。
 無念でなりません。

 本が読まれるほどに、無念の気持ちが募ります。
                       (「編集だより」より)
 


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