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昨日(8月21日)、いしかわ教育総研の公開研究講座としてラピア鹿島で環境教育交流集会が開催された。
県教組七尾鹿島支部の組合員からの環境教育の実践報告に続き、福島県教組特別執行委員で原発災害を担当する日野彰さんから「福島の今と学校現場」というテーマで講演があった。
福島を巡る政治の動き、被災者の状況、除染や放射性廃棄物の貯蔵問題などフクシマを巡る最新情報について説明を受けた後、教育現場の様子も詳しく聞くことができた。
石川県内で流れる福島の学校についてのニュースでは、運動場での運動会復活し、元気に走り回る子どもたちの姿や、プール開きで歓声をあげる子どもたちの姿などが登場する。
あたかも徐々に震災前の教育に戻りつつあるかのようなものばかりである。
この日の講演は、いかにこのような報道が特定の政治的意図をもったものであるかを暴くものだった。
例えば双葉郡の小学校。移転し再開された学校は13校と震災前の7割であるが、子どもたちは震災前の4074人が1割以下の385人へと減少している。中学校はいえば、こちらも11校中9校が移転し再開されたが、震災前の2323人が272人に減少している。
浪江町の津島小は55人が3人に減少、双葉町の双葉南小は190人がなんと2人に、双葉北小は152人が2人に減少している。
学びの環境も決して元には戻っていない。
周辺地域の学校に間借りし開校しているところ、仮設校舎や工場施設の改装、銀行の空き店舗の活用などもある。
特別教室や体育館などがない学校もある。理科の実験をした後、同じ教室で家庭の調理実習がおこなわれることもあるという。普通の学校ではありえない。
教材も教具も足りない。
通学は仮設住宅から片道1時間以上かけてスクールバスで通学という例も珍しくないという。
部活動もまともにおこなえなず、学校行事も制約される。
事故がきっかけとなっての両親の離婚、保護者の失業、仕事の関係での両親の別居など、生活環境の激変も数え上げればきりがない。
こうした中、福島県教委は自らの責任である教育条件の整備がまったくできていないにもかかわらず、学力向上を叫び続けているという。驚きだ。
あたかも元通りになりつつあるかのような報道は、安倍政権の再稼働路線のお先棒を担ぐものでしかない。
自らも被災した日野さん。今年のお盆、3年半たって初めて防護服を着て自宅に戻り、荒れ放題の自宅周辺の草刈りをおこなった。
「原発事故で家を失い、コミュニティを失い、生きがいを失い、3年半たった今もそのままだ」と訴える。
フクシマから学ぶべきことはまだまだたくさんある。
むしろ増えていると痛感させられた講演だった。
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