北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

菅直人の資質

2011-05-04 | 雑感
 震災対応で休戦状態にあった菅降ろしが再び加熱し始めている。被災地では、政局に血道をあげるのではなく、政府・国会一丸となって被災地の復興、あるいは福島第一原発の事故収束に全力で取り組んでほしいという思いが語られている。
 しかし、菅直人首相の存在が復興への一番の障害であり、かつ不安要素であるとまで言われる中、震災に絡んでの菅降ろしはますます加速していくだろう。

 私も震災前から菅首相のリーダーとしての資質には疑問をもってきたが、震災後の首相の対応については、選挙時期ということもあり断片的にしか把握しておらず(それだけでも多々問題ありと感じてきたが)、頭の中は整理されていなかった。

 そんな中、今日の午後、「世界」6月号が届く。東日本大震災・原発災害特集だが、川内博史民主党衆議院議員と河野太郎自民党衆議院議員のインタビュー記事が掲載されている。
 川内氏は菅政権のこの間の原子力災害の対応の誤り(放出源情報の特定なし、SPEEDIの情報隠蔽、揚水発電の情報公開遅れ)や復興財源をめぐる問題点を具体的に指摘し、河野氏も「無計画停電」や公式発表の問題点、原子力安全委員会や原子力安全・保安院の機能不全、外国人や駐日大使館への対応のまずさなどを指摘している。

 両人の指摘はそれぞれ同じ政界に身をおく立場からの具体的指摘だが、より根源的な菅直人批判を展開したのが寺嶋実郎氏である。
 今日のニュースでも出ていたが、「一生懸命努力している」という言葉しか持たない首相。これに対し寺嶋氏は、ドイツ・オーストリアとの戦争に敗れたデンマークの指導者ダルガスやチャレンジャー打ち上げ失敗直後のロナルド・レーガン大統領の演説を引き合いに、「日本が抱える悲劇は『語りえない指導者』がただ忙しげにふるまっていること」と辛らつに指摘する。
 震災と国際関係についても言及し、菅政権の「米軍の出動にひたすら感謝する姿勢」についてあまりの視野の狭さに違和感を覚えると述べる。震災時の外国軍出動は、歴史を紐解くならば単なる善意の行動の一言では片付けられない様々な国益をめぐる判断がある。
 原子力をめぐり日米は責任を共有しているという事情を寺嶋氏は指摘しているが、さらに今日の朝日新聞は一面で、ウィキリークスの内部告発情報の分析から、米政府は日本政府に在日米軍再編費用の水増し操作をしていた事実を報じている。

 「トモダチ作戦の恩を永遠に忘れない」という菅首相。これでは擁護のしようもない。

 
 


コメントを投稿