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(写真撮る前に食べてしまったのでこれは能登町HPから)
昔、高校生の頃まで冬の食卓によくあがっていた「いさぶ」。
「いさぶ」とは小木のタラのはえ縄漁のエサに使われたイカの切り身で、タラに食べられずに陸にあがったもののことをいう。小木ではこれをみな家に持ちかえり食べていたのだ。
タラのえさの食べ残しを食べるというと、なんかものすごく貧乏くさい話のようだが、実はこの「いさぶ」、一晩以上海水に浸かっていた関係でちょうどいい塩加減になっていて、しかもふやけた感じで柔らかく、とてもおいしいのだ。
いつの間にかタラのはえ縄がなくなり、食べることもなくなっていた。数年前、これを復活させたと聞いて、ずっと食べたいなぁと思っていた。
復活した「いさぶ」は、今度はタラの食べ残しではなく実は小木の海洋深層水施設でつくられる。水深200~300メートルでのタラ漁ということは海洋深層水に浸けていたということではないかということから、かけ流しの海洋深層水に30時間漬ける事で昔の味を再現したのだ。
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凍結してあるが、そのまま鍋に入れて少し水を足して火を通せば食べられる。
水を加えないとさすがにちょっとしょっぱい。好みの塩加減になるようにゆでてからお湯を加えても大丈夫だ。
30数年ぶりのなつかしの味である。
1999年4月、当時の新谷功内浦町長と相談して取り組みはじめた海洋深層水事業。
今では様々な用途が研究され、町内外で広く活用されている(こちら)。
深層水の用途が広いことは当時から知られていたが、まさか「いさぶ」が復活するとは感激である。
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