北野進の活動日記

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「主権回復の日」式典 なぜ主権を失ったのか?こそ問うべき 

2013-03-13 | 平和
 市議会は今日、各常任員会審議。残すは18日の最終日のみである。
 最終日の対応はあらためて報告するとして、今日はTPPにも大きな動きがあった。自民党の議員は民主党と違って皆さんそれぞれ演技が上手との評がどこかにあったが、おとしどころに向けて芝居が続いている。

 さて、今朝の北國、北陸中日の両地元紙の社説は、そろって安倍政権が打ち出した「主権回復の日」式典について書いている。
 毎度のことだが全く正反対の論調なので、まず紹介したい。


北陸中日新聞


北國新聞


 安倍政権の狙いは、いみじくも北國新聞の社説の最後に触れているように憲法改正の動きの一環である。
 沖縄や奄美、小笠原を切り捨てたサンフランシスコ講和条約が発効した日を主権回復の日とする発想は、とても日本国の総理大臣とは思えない。総理大臣としてはやってはならないことだが、アメリカに忠誠を誓うためにやりたいのである。

 この式典の動きの根底にはTPP参加に通じるものがあると私は思う。

 安倍総理は「(戦後)7年という長い占領期間があったことを知らない若い人たちが増えている」と説明したという。
 ならばなぜ日本は主権を失うような歴史的大失敗をしてしまったのかを若者に教えた方が絶対にいいと思う。

 日本は第二次世界大戦に負けて1945年9月2日、ポツダム宣言を受託し、無条件降伏を明記した降伏文書に署名し主権を失った。
 8月15日の玉音放送で終わったのではなく(一方的に終戦を表明しただけなら主権はなくならない)、戦争の負けを認め、無条件降伏して主権を失ったのである。
 戦争に負けて主権を失ったから二度と戦争をしない国として戦後、日本は主権を回復した。
 だからこそ4月28日より9月2日をしっかり若い人たちに伝えた方がいい。

 ところが、いまだにこの核心部分を認めたがらない人たちがいる。
 「世界で一番強いアメリカと戦争をしてしまったのが失敗だった。だから負けてしまった。アメリカの後ろにしっかりついていけば絶対に戦争には負けないし、もう主権を失うこともない」
 こんなとんでもない勘違いをしてしまった人が、安倍総理含めて案外多くいるのではないかと思う。サンフランシスコ講和条約とともに結ばれた日米安保条約そして日米行政協定(現在の日米地位協定)によって、主権を回復し独立したはずの日本に米軍基地があり、オスプレイを見ての通り、日本中どこでも米軍の訓練に使えるというのに、主権侵害だとは彼らは思わない。

 まさに矛盾だが、アメリカ追従が彼らの考える「主権国家」の大前提なのである。

 TPPもアメリカに嫌われたら大変だ、という「主権国家」の危機感から来ている。
 安倍総理(民主党・菅首相、野田首相も同じだが)にとって、アメリカの利益になるからこそ日本が参加する意味があるのだ。国益にを守るという芝居は、本当に芝居だと思ってみていないと大変なことになる。

 


1 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-03-16 02:18:36
大戦後、日本は国際法上「占領」されたのであって、主権が無くなったのではないのですがね。占領下、天皇陛下も総理大臣もいたし、内閣も各省庁も機能していたし、日本法が適用されていたし、裁判所も裁判をしていたのですが。昭和55年10月9日に衆議院予算委員会で奥野誠亮法務大臣が「昭和二十七年に独立するまでは主権は日本になかった」と発言し問題になり、その日のうちに発言を取消し謝罪し「主権は日本にあった」という政府公式見解が出たのですが。しかし、日本に主権がなかったのなら「日本は消滅した」「皇位は断絶した」「国体は護持できなかった」となるのですが、国体護持のみを願った当時の保守派が聞けば卒倒ものですね。あと「日本は独立した」と言いますが、どの国から独立したと言うのでしょうか。ばかばかしい限りです。
あとサンフランシスコ平和条約は、右翼の人が大嫌いな極東軍事裁判の判決を日本が受諾した条約でもあるのですが、分かっているのですかね。
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